幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 7月23日 ● 野村監督が自殺をしたら。

 江藤淳が自殺しました。保守派の論客として知られる彼が、かくも簡単に世を去るとは、ちょっと僕には意外でしたが、その理由が昨年奥さんに先立たれたためらしいと聞いて、少し納得しました。家族、とりわけ配偶者の死というのは世の中のあらゆるストレスの中で最大のものだということを読んだことがあります。江藤淳ほどの人でも、やはりそれは別格の事件だったのでしょう。

 で、唐突に思ったのが阪神・野村監督のことです。日本中を敵に回してバトルしているような奥さんを持ちながら、それでも自らの仕事に全力を傾けている彼は、見た目に似合わずかなり「けなげ」な男だと思います。奥さんを特に擁護するわけではないですが、さりとて見捨てるわけでもなく、暖かく見守っている風ですし、タイガースも一時期の勢いは失われてしまいましたが、なんとかペナントレースを戦っています。普通の男ではなかなかできることではありません。

 しかし、江藤淳でさえ奥さんの死で後を追ってしまうのです。野村監督だって、いつ何時、現在の四面楚歌の状況で気力が萎えるかも知れません。よく世間にバッシングされるような人間が登場すると、参っているのは本人よりも家族だったりします。世間と真っ向から戦っている本人は、意外と溌剌としていたりするのですが、家族はそうはいきません。

 このままサッチーバッシングが継続し、その上、ダメ虎ぶりがはっきりしてきて怖いタイガースファンから自らもバッシングされるようなことがあったら、野村監督だって気に病んで自殺しないとも限らないじゃないですか。その時はサッチーは一転、悲劇の未亡人です。マスコミのバッシングによって夫を奪われて、なおかつ気丈に頑張るサッチーの姿は、きっとワイドショーでも好感をもって伝えられるのでしょうね。

 うーん、そう考えると、どう転んでもサッチーは「負けない」キャラクターなんですね。なにせ本人が絶対にギブアップを言わない感じですから、相手が根負けするしかありません。恐るべし、サッチー。幸せは自分の手で「ぐわしっ」と掴み取るものなんですねぇ。  
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