幹事クリタのコーカイ日誌2026 |
| 7月8日 ● 定数削減法案見送り。 高市と吉村が会談し、衆院議員の定数削減法案について、今国会での成立を見送る方針を確認しました。副首都構想の関連法案や皇室典範「改悪」案の審議を優先するという方針に変更し、これによって国会正常化へ自民と中道が合意したということです。高市政権が次々と送り出す邪悪な法案のうち、もっとも酷いものがとりあえず見送りになったことはベストではなくベターな方向転換だと評価できます。 衆院議員の定数削減は維新が特に訴えていたもので、何が邪悪かと言えば、削減するのが比例代表だけ削るとしているからです。先の衆院選で与党が約3分の2の議席を占めてやりたい放題をしていますが、得票数では与党は約3分の1しか取っていません。1対2の得票なのに議席は2対1と大逆転しているのは小選挙区制のせいで、1人が議席を独占する形になっているからです。死票がたくさん出る小選挙区制の弊害が顕著に出てしまったのが今回の衆院選でした。 当然、制度をかつての中選挙区に戻すべきだという主張も言われているのですが、大勝した自民と維新は聞く耳をもちません。あまつさえ小政党の生き残る道である比例分を削減しようという小政党潰しを目論んでいるのですから、少数意見を尊重する民主主義の根本が揺らぐ改悪です。そもそもなぜ定数削減かと言えば、維新の「身を切る改革」の象徴として「議員を減らす」ことによって血税の無駄遣いをやめるという主張です。実際維新は大阪で議員定数の削減を実現しています。 これはあまり政治に関心のない人たちに受けが良いです。そういう人は「議員なんて無駄」「議会で寝ているか悪いことをしている」「減らしてかまわない」というステレオタイプな見方しかしていません。実際には日本の国会議員の数は人口当たりではすでに先進国中で最低レベルです。他の先進国のほとんどは日本より人口当たりの議員数が多いのです。議員の数を減らすということは、それだけ国民の声が国会に届かなくなるということに他なりません。議員は国民の代理として国会に出ているのです。どっかの高市チルドレンのアホ議員の言うように「衆院議員は支配者層」なわけではなく、議員は公僕であり国民の「しもべ」です。しもべの数は多い方が良いのです。 また国会議員の歳費を減らすのが目的なら、議員の数を減らすのではなく、一人当たりの歳費を減らす方が効果的で簡単です。もっともそれにしたって「税金の無駄遣い」を減らすには微々たる額です。何兆円という無駄遣いをしている中で、数億円を減らすことに成功したくらいで維新の手柄話にされて騙されてはいけません。比例代表の議員数を維新の主張通りに減らしてしまったら、自民と維新以外は確実に議席数を減らしますし、小政党は全滅することでしょう。地方やマイノリティなどの多様な意見を国会に届けることはほぼ不可能になります。「身を切る」と言いながら実は維新は切るどころか太り、切られるのは他の政党なのです。 さらにこの法案が邪悪なのは「1年以内に結論が出ない場合は比例代表を45議席自動削減する」という規定が盛り込んであることで、結論が出なくても結論を出すというおかしな話になっています。国会の形を決める重要な話なのに、しっかり話し合わなくても合意が得られなくても結論が出るというのはあまりにも国会無視で独断的です。ここまで自分勝手な法案を提出しようとする高市と吉村の独裁的な性格がそのまま出ていると言っても良いでしょう。野党が全会一致で猛反対するのも当然です。そもそも吉村は地方の首長で国会議員でもないのに、なぜ国会のことに口出ししているのかと思います。 さすがにこの法案はあまりに身勝手過ぎて自民の中でも高市以外はあまり乗り気ではなかったようで、結局今国会での成立を見送ることになりましたが、秋の国会で再び成立を目指すつもりらしいです。そして今国会での成立を何としても目指すと麻生が言っている皇室典範の改悪法案が優先されることになりましたが、こちらも邪悪さでは定数削減法案と対をなすものだけに、野党がどこまで踏ん張れるかが焦点です。天皇家の意向も国民世論も聞かず、憲法学者も歴史学者も反対し、宮内庁も元宮家の人まで反対しているのに、愛子天皇阻止のためだけに一部の政治家が天皇家の乗っ取りを企んでいるような皇室典範の改悪を進めるとは、どれだけ日本を壊そうとしているのかと怒りしかありません。 |