幹事クリタのコーカイ日誌2023

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7月23日 ● 高価な楽器の違いがわかるか?

 テレビ番組の「格付けチェック」で、安い入門者用の楽器と、超高価な楽器を聴き比べて当てる問題があります。意外と当たらないものです。もちろん耳が肥えた音楽の専門家ならわかるのでしょうが、同じ演奏家が同じ曲を演奏すると、素人にはその差を聴き分けるのはかなり難易度が高くなります。ましてテレビ越しに聴いていると「こちらかな?」と思っても外すこともしばしばです。

 では自分でリアルにやってみたらどうなるかと思って試しに演奏してみました。もちろん先日購入したセルマーのアルトサックスと、これまで使っていたヤナギサワでの聴き比べです。どちらも中古で購入してセルマーは54万円、ヤナギサワ15万円。セルマーはプロの使用にも耐えるレベルで、ヤナギサワは初級から中級者向けモデルです。

 やり方は自分で2本を全く同じセッティングで同じ曲(Fly Me to the Moon)を吹き、スマホで録画し、それをヘッドフォンでランダムに再生してみました。ひとりYouTube企画みたいな感じです。結果としてはもちろん当たりましたが、これは自分が演奏しているからで、同じ曲を演奏しても技術的に完璧に同じにはできないので、出だしの音ですぐにわかってしまうのです。企画倒れでした。もっときっちりと吹かなければいけませんでした。

 ただ自分で吹いて自分で音を聴き比べてみたからこそ、差が感じ取れたことは良かったです。セルマーの方が音が素直にストレスなく出ます。また中低音に厚みと深みがあります。高音も伸びやかです。こう書くと全く違うように感じますが、これは条件を同じにして聴き比べてみたからわかることであって、単独で聴いたら果たしてそこまではっきり差を感じ取れるかと言われると微妙でした。家電店のテレビ売り場で各社を並べて見比べてみれば差がわかるというくらいのレベルで、格付けチェックで使ったら多分素人は騙せそうです。

 もちろんプロは騙されないでしょうし、それくらいの差があることも間違いありません。買った自分で差を感じないくらいなら無理して購入した意味がないのでそこは安心しました。あとは楽器の良さをどれだけ自分が引き出せるかということにかかってきそうです。上手い人ほど楽器の性能をより引き出せるでしょうから。やはり楽器を替えるだけで劇的に音が良くなるなんてドリームはありませんでした。修練あるのみです。



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