幹事クリタのコーカイ日誌2023

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6月26日 ● フジを齧ったラストマン。

 TBSの『ラストマンー全盲の捜査官ー』が終わりました。1話から最終話まで見応えのあるドラマでした。謎解きの面白さと人間ドラマを見事に組み合わせた脚本の黒岩勉を誉めるべきでしょう。少々都合が良すぎる韓国ドラマ風味なところはありましたが、それもまあ視聴率を稼ぐには必要だったのかなと思います。実際、福山雅治と木村拓哉の対決で話題になった今クールは福山雅治の圧勝だったようです。

 脚本と並んで誉めるべきはキャスティングです。豪華で厚みのある俳優陣、特に福山雅治のバディに大泉洋を組み合わせたところが勝因だと思います。既視感のあるキャスティングですが、ふたりの掛け合いの息の合い方、アドリブ感、面白さは確実に見ている側の心を掴んだことでしょう。脇を固めた吉田羊、上川隆也、寺尾聡らもとても良かったです。また津田健次郎、相武紗季、要潤が回想でしか出てこないなんてもったいないと思っていたら、最終話の展開でなるほど彼らを起用した理由がわかり納得できました。

 そして福山雅治がいかにも「はまり役」を飄々と演じているところもスターとしての風格が出ていました。演技の幅が広く、様々な人物に憑依する「実力派」と違って、何を演じても本人が見えてしまうワンパターン演技なのに、それで見ている側を魅了させられるのが「スター」です。高倉健、吉永小百合、石原裕次郎、渥美清。昔からのスターの系譜を福山も継いでいるなと感じさせました。もちろん木村拓哉も同じタイプのスターですが、今回はより福山の方が割り切って演じることができたことでしょう。

 最後の最後で「なぜこんな訛ったバトラーがいるのか?」と初回から気になっていた王林演じる難波の正体が明かされ、リンゴを齧るシーンがありました。王林なのに齧ったリンゴは「ふじ」。と言うことで、木村のフジテレビに対する勝利宣言をそれとなくしたあたりもシャレが効いています。続編を示唆するようなラストの展開もあり、映画化になるのかパート2になるのかわかりませんが楽しみです。



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