幹事クリタのコーカイ日誌2023

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4月18日 ● 複利の威力。

 自分がそういう年齢だからなのか、ネット上に定年後の資産運用についての話題がお薦めでよく上がってきます。もちろん自分でも興味があるのでその手の記事をいろいろ読むのですが、大抵書いているあることは似たようなものなので、それほど新鮮味はありません。ただそういう資産運用についての基本的な話を同世代にすると意外に知らない人も多くて、政府がこれだけ新NISAなどで貯蓄から投資へと誘導しようとしてもなかなか進まないのも無理ないかなと思います。

 この手の話の中で定番としてよく聞くのが複利の凄さを示す「72の法則」です。これは複利の簡易的な計算方法で、その利回りだと何年で借金や投資額が倍になるかを計算できるものです。例えばリボ払いなどで年利12%で借金すると72÷12で6年で借金が倍になります。これが年利18%なら4年で倍になってしまいます。50万円の借金がたった4年で100万円。恐ろしいことです。本来複利の計算をまともにやろうとすると面倒なのですが、これなら小学生でも概算ながら簡単に計算できます。

 借金ではなく資産運用の場合でもこの「72の法則」はもちろん使えます。僕の知り合いにも退職金など多額の現金を普通預金に置いたままとか、株は元本保証じゃないから怖いので定期預金に入れてあるという人がいます。このインフレの時代に目減りするばかりだからもったいないよとはアドバイスしますが、それ以上は他人のお金のことにとやかく口を出すのも何なのであまり強く投資をしようとは言えません。

 ただ銀行預金派にこの72の法則を教えると、少し心が動かせる場合があります。想定利回り3.6%なら米国国債くらいですから無理のないところだと思いますが、72÷3.6=20。20年で投資額が倍になります。では定期預金の金利はどれだけかというと、三菱UFJ銀行のスーパー定期が0.002%。72÷0.002=36000です。3万6千年です。普通預金は0.001%なのでその倍の7万2千年後となります。もはや地球と恒星の距離を測る単位です。現実離れした時間の長さです。て言うか、定期預金の金利低すぎません?普通預金のたった2倍って。僕が大学生の頃は5%くらいありましたけどね。

 元本保証の個人向け国債5年は固定金利で0.5%。72÷0.5=144ですから144年後に倍になります。数万年後だろうが144年後だろうが、どちらにしても生きていないことには変わりはないですが、まだ国債の方がマシだとは思います。なので元本保証が絶対の人には個人向け国債をお勧めしていますが、正直自分ならこの金利ではやはりあまり買う気にはなれません。先の米国国債なら利回り的には妙味がありますが、為替リスクがあるので元本保証とはいきません。ちなみに全て税引き前なので、実際に倍になるのはもっと先の話になります。

 これだけ物価が上がるし社会保険料も上がるしで生活が苦しくなってくると、生活防衛のためにも資産運用は必要だと思います。もちろん現金もある程度は残しておかないといざという時に破綻してしまうのでリスクバランスの取り方は人それぞれだと思いますが、普通預金に数千万円を放置してある僕のテニス仲間には本当にもったいないよとアドバイスしています。でも彼は生活に余裕があるからか、全然聞かないですけどね。ある意味、それで平気なところが羨ましいです。



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