韓国のユン大統領が来日、岸田首相と会談し関係正常化で一致しました。ユン大統領は就任時から日韓関係の改善に熱心で、今回日本側は特に関係改善への働きかけをしたわけでもないのに、韓国側から歩み寄った形での首脳会談となりました。これまで何回も韓国の政権が保守勢力に変わるたびに日韓関係の改善へと韓国が歩み寄ってきましたが、日本としては毎回手の平返しをされてきたので、今回もどこまで信用できるのかは油断せずに見極める必要があります。

　とは言え、今回の日韓関係改善は両国間の問題というよりも、東アジアの安全保障上の問題なわけで、特に中国や北朝鮮と対峙するアメリカが同盟国である日韓に早く関係改善をするように強く働きかけた結果でしょう。岸田首相やユン大統領というよりもバイデン大統領の力によるものだと思います。今後アメリカと中国の関係が悪くなればなるほど、共通の敵を持つ間柄である日韓も結びついていなければならないはずです。ただ韓国の革新勢力は常に反日をお題目のように唱えていますから、もし政権交代をしたらまた何をしでかすか安心はできませんが。

　実際の民間レベルでの日韓の交流は特に若い世代で進んでいます。さすがに戦後77年も経てば世代交代も進みます。いくら「恨」の国の韓国と言えども、若い世代が歴史認識について関心が薄れていくのは止められないでしょう。韓国の若者は日本のアニメが好きで、日本の若者はK-POP好きですから、いくら反日感情を煽ったところで限界が生じます。「親日＝悪」のような固定観念との矛盾が、韓国にとってはマイナスにしかならないことにそのうち気づくことでしょう。

　思えば20年前の冬ソナブームの頃はまだ「嫌韓」なんてありませんでした。当時は韓国が日本のことを嫌っていることさえ日本人は思っていなかったのです。この10数年で一気に関係が悪化しましたが、早めに関係正常化をして、友好国とまではいかなくても、普通の国家関係になるようにしてほしいものです。