幹事クリタのコーカイ日誌2023

[ 前日翌日最新今月 ]

2月9日 ● 人脈への嫌悪感。

 家族ならともかく他人の誕生日なんてそうそう覚えているものではありません。若い頃は僕もプレゼントのやり取りとかしていたので、それなりに親しい人の誕生日を覚えていましたが、年を取ってそんな機会も少なくなると徐々に忘れていってしまいます。ところがfacebookでは律義に友達の誕生日を教えてくれますから、昔ならスルーしていた人たちにも、お祝いのメッセージくらいは送ることもあります。そんなわけで、今回の誕生日には僕も何人かからお祝いのメッセージをもらいました。ありがたいことです。

 改めてこうしていろいろな知り合いがいることの意味とか価値とか考えてしまいました。実は昔から「人脈」とか言うのが嫌いで、いかにも知り合いであることを利用しようとしている感じがして、なんか卑しい言葉だなと思っていました。人は利用するものではないし、利用されたくもないぞ、という若者なりの尖った気持ちがあったと思います。またやたらと八方美人で、ちょっと知り合っただけですぐに友達面するような、誰とでも仲良くなろうとする人のことを内心軽蔑もしていました。きっとこいつは利用価値があると思っているんだろうなと。友人なんて厳選されたごく少数が美しいものだと信じていました。

 ただ社会経験が長くなると、実際に知り合いであることの有難さというか、便利さを実感することはしばしばあります。「顔が広い」というのは本当に役立つスキルです。若い頃の僕が感じていた通り、人を利用することが世の中を上手く渡るコツなんだなと痛感します。いくらイヤだと思っても、結局お互いに役に立つのですから無視できません。ビジネスに限らず、人助けにもなります。

 で、気がつけば自分自身も結構いろいろな方面に誰か彼か知り合いがいるような人間になってしまっていました。特に60年以上ずっと名古屋に住んでいるので、名古屋圏ならあまり不自由しません。「弁護士さんを紹介して」「アパートを建てたいんだけど」「カメラマン知ってる?」「良い皮膚科の先生教えて」「ピアノの先生知らない?」などなど、これまでも様々なリクエストに答えてきました。繋ぐことでお互いにwin-winになり喜んでもらえるのですから、それは嬉しいのですが、でもそんな昔は嫌いだった人間になったことにちょっと凹んだりもしています。62歳になっても18歳の気持ちはどこかに残っているんだなと思います。



gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」