幹事クリタのコーカイ日誌2023 |
1月12日 ● 阿炎の大関昇進はあるか。 横綱照ノ富士の休場で「ひとり大関」のみで開催されている大相撲初場所も五日目が終わりました。序盤戦を終えたところで全勝は3枚目の阿炎、10枚目の碧山、13枚目の琴勝峰の3人で役力士に全勝はいません。1敗で大関貴景勝、関脇豊昇龍、前頭筆頭大栄翔ほかが並んでいます。10勝挙げれば大関返り咲きができる正代はここまですでに4敗とほぼ絶望的。とは言え、今の正代に期待している人はほとんどいないでしょうから、この成績も妥当なところです。 目立っているのは豊昇龍と阿炎です。西関脇で大関候補の筆頭とも言える豊昇龍ですが、今日は好調の大栄翔に痛い黒星を喫しました。八角理事長が「立ち合いでごまかして、まわしを取ろうとしている」と苦言を呈していましたが、楽をしようとしているように見られても仕方ありません。真の実力をつけたいなら、今の段階で楽をしてはダメです。正面からしっかり当たる相撲を取り続けて欲しいと思います。 先場所優勝した阿炎は文句のない相撲内容で全勝を守っています。豊昇龍と違って、真っ向勝負で逃げずに押し相撲に徹しているところが素晴らしいです。昔の阿炎は持って生まれた運動神経の良さを生かして要領よく相撲を取って楽して勝とうとしているように見られましたが、処分を受けて陥落してからの阿炎は心を入れ替えたのか、引かずに我慢の相撲を取り続けています。まさに豊昇龍に見習ってほしい姿勢です。それが先場所の優勝、そして今場所ここまでの全勝という結果に繋がっています。 いよいよ明日は優勝決定戦とも言える大関貴景勝との対戦。なぜこんな前半にこの好取組をもってきたのか、ちょっと理解に苦しみますが、阿炎にとっても貴景勝にとっても重要な一番となります。貴景勝は横綱が欠場して大関以上は自分ひとりしかいないという立場ですから、今場所こそは優勝しかないと思っているはずです。ここで阿炎に負けるわけにはいきません。逆に阿炎はここで貴景勝に勝てば、残る強敵は豊昇龍と大栄翔くらいですから、連続優勝の可能性が大きく広がります。 前代未聞の平幕での連続優勝となったら、番付はどうなるのか。そもそも過去に平幕で優勝を2回したのも琴錦ただひとりですから、これだけ上位が欠けている番付を早く是正したい協会側としては快挙に応じてウルトラCを繰り出す可能性もゼロではないかもと思います。少なくとも関脇への昇進は間違いないですから、来場所10勝すればもちろん大関は確定でしょう。そうすれば豊昇龍や琴ノ若ら若手はもちろん、同世代の若隆景や大栄翔、そして十両に戻ってきた朝乃山にも強い刺激になるはずです。楽しみです。 |