幹事クリタのコーカイ日誌2022

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12月29日 ● 新しい戦前。

 タモリが『徹子の部屋』に先日出演し、そこで「来年は新しい戦前になるんじゃないか」と話したことが話題になっています。さすがタモリです。コピーライターが見習うべき感覚の鋭さと言葉の巧みさ。そして何より終戦直後に生まれたタモリと、戦前に生まれている黒柳徹子との会話の中で飛び出した言葉ですから重みが違います。これを平成生まれの若者が言っても「わかったようなことを言って」と笑われてしまうかも知れません。言葉は誰が言ったかによって重さが変わってきます。

 いまの国際社会は確かにキナ臭いことは間違いありません。しかしそれ以上に日本人を不安にさせるのは、やはり岸田首相の「軽さ」でしょう。唯々諾々とアメリカや財務省に言われて「防衛費倍増」やら「敵基地攻撃能力」やら「増税」やらを言っているようにしか思えません。そんなことは選挙の前には全然おくびにも出さなかっただけに、後出しでどんどん進めていくやり方の不誠実さも腹立たしく感じます。

 岸田内閣はすでに4人もの閣僚が更迭されました。そのたびに岸田首相は「任命責任を感じる」と言いますが、感じているだけでその責任を取ろうとはしません。もしタモリの言うように今が「新しい戦前」なら、いとも簡単に中国との戦争を始めて、それで日本国内にミサイルが撃ち込まれても「責任を感じる」と言いながら平気な顔をしていそうに思えてなりません。とにかく言葉が軽いのです。

 戦争を始めないようにするのはもちろん軍事力も大事でしょう。丸腰では交渉もなにもできません。しかし第二次世界大戦時の「戦前」の日本を見てもわかるように、いくら軍備を拡充しても最後の鍵を握るのは外交力だと思います。「外交の岸田」と自負するのなら、そのプライドをもって近隣諸国との良好な関係を築く努力をして成果を示してほしいものです。少子化対策とか子育て支援とか教育の充実とか、未来の日本のため、若い世代のために使うならある程度の増税もやむなしですが、ただアメリカのミサイルや戦闘機を爆買いするための増税を納得しろと言っても内閣支持率を下げるだけだと思います。



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