幹事クリタのコーカイ日誌2022

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8月18日 ● 里見香奈の挑戦始まる。

 女性初のプロ棋士を目指す里見香奈女流五冠が挑む棋士編入試験5番勝負。第1戦の里見五冠対徳田拳士四段の対局は127手で徳田四段が勝利。初の女性プロ棋士を目指す里見五冠にとっては苦しいスタートとなりました。ただ里見五冠は5番勝負で3勝すれば合格できるので残り4戦でまだ1敗できるという考えもあります。今回対戦する新四段5人の中で徳田四段が成績がダントツに良いので、ここの敗戦は仕方ないと切り替えて来月の第2戦から頑張ってほしいものです。

 里見が天才少女として話題になった頃から注目していましたが、これまで惜しかったのはやはり奨励会の三段リーグで年齢制限によって退会を余儀なくされたことでしょう。もし里見が最初から女流棋士にならず奨励会入りして棋士を目指していたら遠回りをしないで三段リーグを突破できたのではないかと思います。これは師匠の森九段も話していることですが2010年頃に女流を辞めて奨励会挑戦という話があったそうです。ただ里見が天才過ぎて一気に女流棋士のトップに立ってしまっていたため、スポンサーサイドへの配慮から女流を辞めての奨励会入りを連盟から止められたそうです。

 のちに規定が変わって女流と奨励会を掛け持ちできるようになり里見も改めて奨励会入りして挑戦したわけですが、里見にとってそこからの挑戦は少し遅く、また女流との掛け持ちは負担も大きく、結局年齢制限にかかってしまいました。将棋界における「ガラスの天井」が里見の未来を塞いだ形になりました。

 編入試験での挑戦もかなり厳しい戦いですし、里見は五冠として女流タイトル戦も多く過密日程になります。ただこうした過去の経緯もあるので、是非今回この難関を突破して初の女性のプロ棋士誕生を期待したいです。



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