幹事クリタのコーカイ日誌2022

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7月9日 ● テレビ局報道の疑問点。

 僕はテレビ局や新聞社を「マスゴミ」などと呼ぶことはしません。彼らも懸命に仕事をしていることはわかっていますし、誤報や偏向があっても一方的に断罪するようなことはしません。玉石混淆で石の方が多いネットの情報よりも、少なくともフェイクニュースは少ないだろうとそのクオリティには信頼を寄せています。その上で、今回の安倍元首相銃撃事件におけるテレビ局の伝え方には文句があります。

 まず昨日も書きましたが、内容が浅く乏しいにも関わらず長時間にわたって横並びの報道をしたこと。東日本大震災のような大規模かつ刻々と状況が変わる時ならずっと報道を続けるのは当然です。しかし昨日はそんなに報道を長時間続けるような内容はありませんでした。事件の概要は最初からわかっていますし、容疑者も現場で捕まっています。被害者が17時過ぎに亡くなったことも発表されました。それ以上に事件は進展しないし被害も拡大しません。新しい情報もないのに延々と深夜まで時間を費やす意味がわかりません。

 その結果、何が流されていたかというと、安倍元首相を悼む声と彼の過去の業績が繰り返し報じられていました。昨日も書いたように選挙期間中にこうした報道をすることが選挙にどう影響するかわかっていてやっているとしか思えません。日頃、選挙期間中は極端と思えるほど公正で中立な報道を心掛けているはずなのに、「これは別物」とばかりに歯止めなく映像を垂れ流していました。もっと冷静な報道はできたはずです。何か意図があるのでしょうか。

 さらに歯止めがないなと感じたのが、銃撃された瞬間の映像を繰り返し繰り返し流していたことです。さすがに本人が撃たれて倒れる瞬間の映像はありませんでしたが、その前後の映像だけでもショッキングで、そんなに繰り返し見たいものではありません。僕は事件直後からずっと銃撃シーンを見せられているうちに気分が悪くなったので途中からテレビを見ないようにしていました。比較的鈍感になっている60代男性でもそう感じるのですから、もっと感受性が鋭い子どもたちにとってはトラウマになるのではないかと心配です。

 報道の切り口の鈍さや底の浅さは事件直後だったのだから仕方ないところもありますが、せめて銃撃シーンを垂れ流すことは気を遣うべきだし、遣えたはずだと思います。ジャーナリズムの質の低下を指摘されて久しいですが、少なくともテレビ局の報道は本当にレベルが下がっているのか、もしくは妙な力が働いているのかと疑問に感じます。



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