幹事クリタのコーカイ日誌2022

[ 前日翌日最新今月 ]

5月31日 ● 何もしないから高支持率。

 今日、岸田文雄首相が打ち出した「新しい資本主義」のグランドデザインと実行計画案を政府が発表しました。個人の金融資産を貯蓄から投資へ誘導する「資産所得倍増」へのプランを年末までに策定するそうですが、結局のところ成長重視のアベノミクス路線と大差ない内容になりそうです。 総裁選の頃には分配重視の「新しい資本主義」だったと思うのですが、いつの間にか言葉は同じでも内容がすり替わってきているみたいです。

 岸田内閣の支持率はナゾの高支持率を維持していて、このままいけば7月の参院選でも自民党の大勝は間違いないでしょう。「何もしない」内閣が高支持率を保っていることを揶揄する声が多いみたいですが、何もしなければ問題も起こさないし失言もしません。野球で言えば飛んできたヒット性の打球に果敢にダイビングキャッチを試みれば捕り損ねてエラーになる可能性もありますが、あっさり見送ればヒットですから自分の失策にはなりません。チームは負けるかも知れませんが、自分のミスじゃなければOKと考えているのなら賢いやり方です。

 もちろんそんな選手を監督もチームも許容するはずないのですが、なぜかこの国の政治家はそれが許されるみたいで、このままズルズルと日本が負けていってもかまわないとみんな思っているのでしょう。支持率を分析したところ、若者の支持率は低いのに高齢者の支持率が高いそうです。当然です。高齢者は現状維持を望んでいます。余計な改革などされては困ります。若者にとっては岸田内閣は地獄の窯の蓋を開けているようなものですが、政治に関心もなく投票にも行かない層のことなど自民党は気にしていません。

 僕は60代ですから、岸田内閣が何もしない方が基本的には自分にとって都合が良いです。総裁選の時に言っていた金融資産課税とかやられて株価が暴落するのは困ります。とは言え、日本が衰退していくばかりなのももちろん困ります。まだ老い先はちょっとありますからある程度はちゃんと成長していく国であって欲しいですし、自分の子どもや孫の世代のことも考えると、もっと安心して住みやすい国になってほしいです。経済ももちろん大事ですが、長期的な視野に立った少子化対策や教育、環境問題などにも力を入れてほしいです。

 何もしないことが高い支持率なのは納得できませんが、格差と分断とモラルの崩壊を広げるばかりだった安倍政権のような「強者のための政治」も支持できかねます。と言って野党には心配で任せられないという気分は多くの国民と同じです。選挙における選択というのはベストではなくモアベターな方を選ぶことだと思っていますが、ベターなき選択が続く日本で少なくともワーストではないのは誰かを考えたいと思います、って言うと何もしない岸田内閣支持になっちゃうのか。困ったもんだ。



gooブログでも読めます「幹事クリタのコーカイブログ」

テニス好きなら「幹事クリタのテニス日誌」