幹事クリタのコーカイ日誌2022

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5月20日 ● 倍速視聴。

 映画を無断で短く編集した「ファスト映画」というものがネット上にあり、テレビ局や映画会社から著作権侵害で訴えられているそうです。まあそりゃそうでしょう。当然違法だと思います。ただニーズがあるのもわかります。昔のようにテレビくらいしか見るものがなかった時代と違い、今はネット配信やYouTubeなどコンテンツの過剰供給が著しいです。それを全部見ようと思ったら時間が全然足りません。

 僕もテレビを録画した番組すら見られていないのに、wowowにアマプラ、huluも入っているので、全く見る暇がありません。wowowで映画を録画しても見られずにずっとハードディスクに溜まっていくばかりです。大河ドラマなど地上波のドラマも話題作を録ったまま何年も経っているものも多いです。録画したものをどうしても見たい時には倍速で視聴しています。YouTubeも30以上のチャンネル登録をしているので、大半が2倍にして見ています。そうじゃないと間に合いません。

 ただ映画やドラマを倍速で見るのはさすがに抵抗があります。若者は慣れてしまっているという話ですが、やはり映像作品というのは本来「間」が大事で、上手な役者とか手練れの演出家というのは、この間が上手いのですが、それを倍速視聴してしまうと台無しになってしまいます。ドラマに限らずお笑いも本来は間が命です。倍速で見る漫才はやっぱり別物になってしまいます。音楽はもっと倍速視聴に適していません。

 結局映像作品を「鑑賞する」のか「消費する」のかの違いなんでしょう。話題作だから見ておかなければと思ってどんどん消費する時代になってしまったということです。ただ本当に見たいもの、好きなものなら多くの人は腰を据えてじっくり見ると思うので、コンテンツの供給過剰状態が質の低下を招き、倍速視聴で十分だと思われている可能性もあります。そう思うと、昔の映画やドラマはメディア状況が貧弱だったために、かえってじっくり見てもらえたわけで、幸せな時代だったのかも知れません。



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