幹事クリタのコーカイ日誌2022

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3月22日 ● カムカムの消化不良感。

 朝ドラ「カムカムエヴリバディ」もいよいよ終盤になってきて、これまでの伏線を一気に回収しつつ、バラバラだったヒロイン3代の物語が繋がり始めています。もともと展開が早いドラマだけに、気持ち良いくらいにグングンと話が進んでいきますが、正直もう少しそこは丁寧に描いて欲しかったかもと思うところもあります。

 例えば錠一郎(オダギリジョー)がいきなり音楽の道に復帰してしまいましたが、トランペットが吹けなくなってから約30年のブランクがあったのに、1年ピアノのレッスンを受けただけでプロとしてステージに上がるというのは、乱暴に過ぎる気がします。ブランクの30年間の錠一郎の音楽活動についてほとんどドラマでは触れられてきませんでしたが、恐らくたまにトランペットを吹いてダメだった、というくらいでした。それなのにちょっとかじった程度のピアノを始めて1年でプロデビューって、さすがにどうなのと思います。

 早起きが苦手で根気がなく継続した努力が何より苦手なひなた(川栄李奈)が、急に人が変わったように毎日英語の勉強を続けて一気に英語力がアップしているのも唐突です。彼女の性格が180度変わるほどの出来事があったわけでもないのに別人のようになったことについて、やはりもう少しその変化について丁寧な描写が欲しかったなと感じました。

 限られた放送時間の中で消化不良のエピソードが出てくるのは仕方ないのかも知れませんが、素晴らしいドラマだけに惜しいなというところです。ちなみに以前僕がかつての人気時代劇として触れた「大江戸捜査網」の小ネタがありました。ひなたの部屋に「死して屍拾う者なし」と書いた紙が貼られていました。時代劇愛が強いひなたらしい演出ですが、他局の時代劇のフレーズをさりげなく小ネタとして使ってくるあたり、やはり面白いドラマです。

 残り話数も少なくなってきましたが、安子(上白石萌音)とるい(深津絵里)の再会がどう描かれるのか楽しみです。その時に安子役は上白石の老けメイクなのか、顔が似ている宮崎美子がキャスティングされるのか。安子の渡米後の物語だけでもう1本朝ドラが作れるくらい波乱万丈だと思いますから、あまり省略しないで欲しいと願っています。



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