幹事クリタのコーカイ日誌2021

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11月17日 ● ペン・シューアイはどこへ消えたのか。

 日本のマスコミはほとんど触れていないようですが、いま女子テニスの元ダブルス世界1位の中国のペン・シューアイ(35歳)の消息がわからなくなっていることを世界のテニス界がかなり本気で心配しています。WTAが公式に中国政府への注意喚起の声明を出し、ジョコビッチや大坂なおみもコメントを発表しています。ペン・シューアイの行方がわからないことがなぜそんなにも事件なのか?それは中国共産党の最高幹部のスキャンダルと関係があるからです。

 当初の報道では彼女は中国共産党最高指導部メンバーの一員であった75歳の張高麗(チャン・カオリー)前副首相と不倫関係にあったと伝えられていました。もちろんそれだけでもスキャンダルには違いありませんが、実はそれは性的暴行を受けたのだとペン・シューアイが告発をしたのです。ペンがウェイボーに公開したこの告発文書はわずか30分ほどで削除されたそうです。

 中国の最高幹部の大スキャンダルを告発した途端に行方不明となると、彼女や彼女の家族の安否が心配されるのは当然です。いまの中国共産党は完全に独裁政権で習近平は毛沢東を超えようとしているかのような自らの神格化を図っています。そんな国で最高幹部のスキャンダルを告発すれば身柄がどうなるのか考えるまでもありません。

 ペンは、13年ウインブルドンと14年全仏オープンのダブルスで優勝し、中国テニス界史上「最も成功したプレーヤー」とも称されているほどの選手ですが、そんな国民的スターであっても行方がわからなくなるというのは中国にとっても国家的なイメージダウンです。今のところ中国外務省は一切のコメントを拒否しているようですが、騒ぎがもっと大きくなったら対応に苦慮することになりそうです。



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