定年再雇用になってから手取り収入が驚くほど激減しているので、お金の使い方も考えなくてはならないと痛感しています。とは言え、あまり何でもかんでもケチケチしていたら人生が楽しめないし、どうバランスの良い使い方をしていくかがポイント。コロナ禍で旅行費用と外食費と被服費にお金がかからなくなったのは不幸中の幸いです。旅行は別にして外食費と被服費には「見栄」と「付き合い」のための出費が占める割合が多いことを実感していたからです。

　もちろん外食費の全てが「付き合い」ではありません。ただあまり気が進まない会食や飲み会、義理で顔を出していた会合などがほとんど無くなったのは助かっています。もともと30代からそうした義理の付き合いは極力減らしてきたのですが、今は一切なくなったので金銭面だけではなく精神的にも助かっています。ただ楽しい会食も今はなかなかできないので、ワクチン接種が進んだらそこは少しずつ復活できたら良いと願っています。

　被服費も全てが「見栄」ではありません。自分で良いと思った服を着ているのですが、やはり毎日会社に行っていればビジネスのために必要な服や靴は揃える必要がありますし、それなりの見た目を維持しないといけません。しかし完全に在宅勤務になってからは着ていて楽なカジュアルばかりですし、会食も少ないので高い店に合わせたブランドである必要もありません。そういう意味で服で見栄を張る必要がなくなったということです。

　「見栄」と「付き合い」を減らせられたのはコロナのせいばかりではなく、定年になったという立場的なことと、若い頃のように頑張っていなくても良いと感じられるようになったことも大きな理由です。自分が必要と思うこと、大切だと感じること以外に無駄なお金を使うことは、時間の無駄遣いでもあるし、メンタル的にも削られてしまいます。もちろん「無駄遣い」にはまた「無駄遣い」なりの効用もありますから、杓子定規に「無駄」を決められない難しさはありますが、そこを上手に決めるのが人生の経験というやつだと思っています。