野球で悲願の金メダルを取りました。ロス五輪の公開競技以来で、正式競技になってから初めての金メダルです。今回は最初から日本は本命だったと思います。地元開催の利はありますし、何より日本はレギュラーシーズンを休みにして、ほぼベストと言っても良いくらいの豪華メンバーが揃っています。これで負けたら言い訳ができない状況でしたが、それでも一発勝負の野球では確実に金メダルが取れるとは断言できません。稲葉監督としては本当に胃が痛む思いだったことでしょう。

　勝因は調子の良い選手を徹底的に使い倒したことです。その一番の例が全５試合に登板した広島のルーキー栗林です。５試合で２勝３セーブ。完璧でした。広島球団としてはルーキーなのにこんなに使い倒されてしまったらレギュラーシーズンへの影響が心配でしょうが、稲葉監督はそんなことに忖度しませんでした。他にも山崎や平良など抑え投手は選んでいたのに、結局は栗林と心中するくらいの勢いでした。

　他にも追加招集した伊藤と千賀を今日も起用しましたし、野手も主力はほぼ固定でした。もともと投手を多く選んで野手は少なかったので最低人数で回していたとは言え、ベテランでも若手でも調子の良い、現時点で信頼できる選手を使い切るというのはこうした大会では一番の必勝法でしょう。細かい采配では疑問点もありましたが、こうして結果が出たのですから文句はありません。

　さて次回野球がオリンピックで行われるのは2028年のロス五輪になると思います。7年後となるとメンバーも大きく変わってきているでしょうが、何よりメジャーリーガーが参加できるかどうかが大きな焦点になります。地元開催ですから今大会と違ってアメリカも盛り上がるでしょうし、その時にアメリカチームが二線級ばかりで金メダルを逃したら大ブーイング間違いなしです。MLBがどこまでオリンピックのために協力するかわかりませんが、大谷が日本チームに加わったらますます楽しみなので、出られるようになっていることを期待したいです。