幹事クリタのコーカイ日誌2021 |
7月30日 ● ジョコビッチ敗れる。 東京五輪の男子テニスシングルスで「ゴールデンスラム」の大記録を狙っていた世界ランキング1位ノバク・ジョコビッチが準決勝で敗れ、金メダルを逃しました。準決勝の相手は5位のアレクサンダー・ズベレフ。セットカウント1―2でした。番狂わせではありますが意外ではありません。ジョコビッチを倒すとしたらズべレフ、チチパス、メドベージェフの若手3強の誰かだろうと思っていましたし、グランドスラムと違って3セットマッチなら以前からジョコビッチは彼らに負けることもありました。 これで1988年のグラフ以来のゴールデンスラムの夢を絶たれたジョコビッチ。ゴールデンスラムのチャンスはそう何回もありませんから、年齢的に考えてもこれがジョコビッチにとっては実質的なラストチャンスだったと言ってもいいでしょう。ただ年間グランドスラムはまだ十分に可能性があります。ジョコビッチの強さは何といってもグランドスラムでの5セットマッチの戦い方を熟知していることです。これまでのグランドスラムでも2セットダウンしたところから余裕をもって逆転勝利をすることがありました。逆に言えば2セット取られたら負けてしまう3セットマッチでは今回のように負けてしまうことも十分あり得るということです。 決勝はズべレフとハチャノフの若手対決となりました。安定感ではズべレフですがハチャノフは今季好調ですし乗ると手が付けられない爆発力があるのでどちらが勝つかはわかりません。3位決定戦はジョコビッチとメドベージェフに勝ったカレーニョブスタのベテラン同士。順当ならジョコビッチですが、もし負けたことで気落ちしてモチベーションが下がっていると番狂わせもあります。ジョコビッチはとにかく気持ちが異様に強い選手なのですが、逆に言えば気持ちが落ちていると案外コロッと負けてしまうこともあります。 ジョコビッチにとって今回のオリンピックはゴールデンスラム達成のために無理して来日したので金メダル以外に用はないでしょうから、早く全米オープンの準備をしたいからもう棄権して帰りたいくらいだろうと思います。錦織がドローに恵まれていてここでジョコビッチとの対戦だったら勝てる可能性もあったかも知れないのに残念です。 |