幹事クリタのコーカイ日誌2020

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10月8日 ● ノーベル賞好きの学者嫌い。

 今年のノーベル賞に日本人はどうやら縁がなかったようで、マスコミがしきりに残念がっています。マスコミがこれだけノーベル賞に騒ぐのは、もちろん日本人がノーベル賞が大好きだからであり、「世界に認められた日本人」が大好きだからです。このあたりは戦後間もない頃から全く変わらないメンタリティだと言っても良いでしょう。もっとも、もしかしたら今の10代20代は精神的にもグローバル化が進んできていて変わってきているのかも知れませんが。

 とは言え、よく言われるようにノーベル賞は30年以上も前の業績に対して贈られているような賞ですから、21世紀になってからの日本人のノーベル賞ラッシュというのは昭和時代の日本人の努力の賜物です。戦後日本は軍備を捨てて、「科学立国」を目指し頭脳と技術で世界と戦っていこうと国民一丸となって頑張っていた時代です。その成果が平成以降にノーベル賞という形で表れてきたのです。

 ところが今の日本は学術研究予算を削るばかりで、中国やアメリカに比べて全く研究環境が整っていないそうです。優秀な学者が海外流出していくばかりなのも高額な報酬だけではなく潤沢な研究予算があるからで、貧乏な上に学問に金を使わなくなった日本に残っていたって未来はありません。しかも今回の日本学術会議騒動でわかるように、どうも「学者」は政府からも嫌われているとしか思えません。好きなことをして金を使うばかり使って、大して役にも立たないのに上から目線でこ難しい理屈を言う口だけの連中、という扱いです。

 このトランプ大統領流の「反知性主義」的風潮がこれだけ日本に広がってきたことがまず驚きです。欧米と違って日本人は平均的な教育水準が高いと言われてきました。それは日本人の誇りでしたし「子どもに残すものは金より教育」という国民性で、あの頃は「学問がある」人は尊敬されたものでした。今や「末は博士か大臣か」と言う言葉が死語になって久しく、大臣が博士に脅しをかけるような国になってしまいました。


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