幹事クリタのコーカイ日誌2020

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4月25日 ● マスクは人の為ならず。

 「情けは人の為ならず」という諺は今ではかなり誤解されている諺のひとつだろうと思います。本来の意味は「情を人にかけておけば,巡り巡って自分によい報いが来るということ」なのですが、「誰かに情を掛けることは,その人のためにならない」という正反対の意味だと誤解している人が10年くらい前の文化庁の調査で約半分いることがわかっています。正しい意味を知っている人の方が多かったのは60代以上だけだったので、それから10年を経て、恐らく今では間違っている人が過半数を占めているのではないかと推測されます。

 で、マスクです。マスクは本来コロナウィルスの感染を防ぐ効果はあまり期待できないということは当初から言われてきました。コロナウィルスは小さくてマスクの穴をすいすいと通り抜けてしまうから、マスクをしていればコロナに感染しないということはない、というのが定説です。ところがマスクはバカ売れして品切れが続き、そのせいで「アベノマスク」などという税金の無駄遣いまで起きてしまいました。さらにはマスクさえしていれば安全なんだろうという間違った考えで人混みに飛び込んでいくような無謀な人間も生んでいます。

 マスクをするのは人からコロナをうつされるのを防ぐためではありません。感染している者が他人にコロナをうつさないように少しでも防止するためのものです。感染者が咳などをして周りにウィルスを撒き散らすのを減らすためにマスクを着けて欲しいのです。特に無症状の感染者は人にうつす力が強いそうですから、そういう人にこそマスクをつけて外出してもらいたいものです。

 そう考えると、店頭にマスクが並んだ途端に買い占めている人たちの何と愚かなことかということがわかります。自分の身の安全を考えるなら、マスクを買い占めて他人にマスクが行き渡らないようにするのは、むしろ自分のリスクを増大させているだけなのです。自分が感染していないのなら、自分はマスクを着けずに周りにいる人間にそのマスクを着けてもらうことの方が有効だということです。もしマスクを買い占めて一生分の備蓄を家にため込んでいるのなら、一刻も早くご近所や行きつけの場所でそのマスクを配った方が身のためです。

 「マスクは人の為ならず」。マスクを人に配っておけば、巡り巡って自分の身の安全を保てます。買い占めはやめましょう。


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