400勝投手の金田正一が死去。驚きました。まだまだ元気だと思っていたのですが、急性胆管炎による敗血症ということですから急なことだったのかも知れません。86歳。残念です。

　今回巨人が金田の死を発表したそうですが、確かに巨人OBではありますが、やはり国鉄のエース金田というのが彼の本質でしょう。強い巨人に立ち向かっていく弱小チームの大エースというところに金田の輝きがあります。実際、国鉄時代は14年連続20勝という大記録を残しているわけで、巨人移籍後はON砲をバックにしながらも一度も20勝を上げられなかったことを考えると、金田が本当に力を発揮できたのはどちらの側にいた時だったかわかろうというものです。

　監督になってからも、またタレントとしても極めてユニークで個性的なキャラクターを押し出してファンが多かった金田。いかにも昭和一桁世代らしい、今となっては時代錯誤的な話も多かったですが、彼のキャラクターがそれを許していたと思います。1974年、中日が巨人の10連覇を阻止してリーグ優勝した時の日本シリーズの相手が金田監督率いるロッテでした。

　愛知出身の野球選手はたくさんいますが、一番のスーパースターは投手は金田、野手はイチローで間違いありません。その2人が揃って中日とは無縁のままというのは本当に残念なことです。僕たちの幼い頃のギャグ「おう、かねだ、ひろおか」を覚えている人がどれだけいることか。昭和の象徴がまたひとつ消えていきました。