幹事クリタのコーカイ日誌2019

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9月4日 ● マスコミの韓国叩き。

 最近すでにあちらこちらで書かれていることなので、敢えてここで書く必要があるのかとは思いますが、ちょっと韓国の話題をマスコミが取り上げ過ぎではないかと感じます。しかもその内容のほとんどが韓国の悪口、つまりいわゆる「嫌韓」を煽るかのようなものばかりです。多くの一般人がそこまで韓国に対してヒートアップしていないのに、マスコミが率先して煽ってばかりいるのは大変に残念なことだと思います。

 マスコミが韓国のことをあげつらうのは、それが数字につながるからだそうです。テレビなら視聴率が取れる、雑誌なら部数が伸びる、ネットでもアクセス数が増える。誰かを悪者にして叩く、それも自分たちが絶対的な「正義」だと信じて叩くのは気持ちの良いものです。だから数字が上がるのは当然なのですが、それを戒めて「冷静に」「落ち着いて」と言うのがマスコミの役割でしょう。それを逆に煽ってどうするんだと思います。

 よく引き合いに出されるのが戦前の戦争賛美の新聞各紙の論調で、日本を戦争に導いたのは軍部と、そういう世論を作り上げたマスコミだと言われています。またナチスドイツにしてもヒトラーがユダヤ人憎悪を煽り、それにマスコミが乗っかったそうです。今の日本でも安倍政権とマスコミが結託して韓国叩きをしているように感じます。それでマスコミの数字が伸びるように、安倍政権の支持率も上がるのですから、両者win-winなのですが、果たしてそれは日本の国益や我々にとっても「win」なのか、冷静に考えた方が良いでしょう。

 これもあちらこちらで書かれていることですが、日韓関係が悪化してお互いに良いことは何もありません。政治、安全保障、経済、文化、全てにおいてマイナスの影響が出ています。逆に喜ぶのは中国、ロシア、北朝鮮です。そんなことは誰でもちょっと考えれば、いや考えるまでもなくわかることです。日本は韓国だけを相手にしているわけではありません。それなのに韓国だけ叩いて喜んでいるのはあまりにも視野狭窄です。これは日本だけではなく、もちろん韓国にも同じことが言えるのですが、両国の政権がそれぞれに相手を叩くことで一部の国民の歓心を買い、支持率を維持することばかり考えているのだから手に負えません。

 外交とは「好き」「嫌い」でやることではなく「損」「得」でやるものです。このまま韓国と断絶して、38度線が対馬沖まで南下し日本が大陸の独裁国家と直接対峙することになるのはいかにも「損」です。だから嫌いな相手であっても表では笑顔で付き合って得を取ることが大事です。国益をないがしろにしても自分たちの支持率アップを図る安倍政権、文政権それぞれが交代して、改めて新たな日韓関係を構築していくべきだと思いますが、しばらくは無理でしょう。せめてこれ以上悪影響が出ないように、マスコミの「嫌韓」を「減韓」にして、みんなが冷静さを取り戻す時間を作ってほしいと思います。


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