幹事クリタのコーカイ日誌2019

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8月28日 ● 笑顔の大坂なおみ。

 全米の昨年チャンピオンであり今大会第1シードの大坂なおみ。当然優勝候補の一角ですが、前評判はそれほど高くありません。持っている力は全ての選手の中でも際立っていますが、全豪直後にサーシャ・バインコーチと別れて以来、本来の実力を発揮できないでいるからです。

 とにかくミスが多いし、調子の波が激しい。感情をコントロールできずに自滅していくような負け方が増えました。戦術的にも苦しくなればなるほど力で捻じ伏せようと強引なテニスをして墓穴を掘ります。これではコーチを代えたせいだと言われても仕方ありません。

 そんな大坂が1回戦で苦しみながらも勝利しました。84位のアンナ・ブリンコワ相手に6−4、6−7、6−2のフルセット。アンフォースドエラーはなんと50本を数えました。これで勝てたのが不思議なくらいですが、実はこの試合の大坂はいつものようなスタッツにも関わらず、いつもとは違う態度で臨んでいました。

 エラーしても笑顔を絶やさず、相手のナイスショットには拍手まで送る余裕。怒りに任せることなく、常に冷静に試合を進めていたのです。それでこれだけのエラーをしたのでは効果がなかったのかと言われそうですが、もしそういう落ち着いた態度で試合に臨んでいなかったら負けていたかも知れません。最後にマッチポイントを取り切れたのは、笑顔と落ち着きのお陰だったと思います。

 これまでとスタイルを変えるというのは勇気がいることですし、うまく噛み合わなければ負けることだってあるでしょう。それでも大坂が変えようと努力しているのは素晴らしいことです。生まれ変わるために必要な50本のエラーだったとしたら、これはまさに「生みの苦しみ」です。大坂の連覇、期待できるかも知れません。


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