幹事クリタのコーカイ日誌2019

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8月27日 ● 一本を取る柔道。

 いま世界柔道が武道館で開催されています。本来、武道館はコンサート会場ではなく武道場なのですから、柔道の世界選手権が開催されているのは当たり前と言えば当たり前なのですが、恒例の「24時間テレビ」を押しのけて柔道が行われているのは、やはり柔道経験者としては嬉しい気持ちがします。

 前回の東京五輪で柔道が競技として採用され、その後にどんどん国際化をしていく中で、柔道はどんどん「ポイント制」へと変化していきました。細かいポイントを奪い合う「レスリング化」していったのです。「一本」「技あり」の下に「有効」「効果」と細かい判定がありました。投げられないように腰を引き、大技を狙わず「有効」や「効果」を奪い合ってポイントを積み重ねていく、せせこましい柔道は、我々が学んだ柔道とは全く別のものになってしまいました。

 日本の柔道はあくまでも「一本」を取りにいく正々堂々の柔道、と言ってはいたものの、国際大会では徐々に成績が下がっていき、悲しい思いをしていた時代がありました。しかし、日本の柔道は少しずつ復活。それとともに、ルールも原点回帰というか、「有効」「効果」が廃止されて「一本」「技あり」のみになり、ポイントを稼ぐ柔道から一本を狙う柔道へと変わってきました。柔道を柔道らしくする良いルール改正です。

 今回の世界柔道は来年の東京五輪の前哨戦ですから、見ていても気合が入ります。今日の男子73kg級・大野将平が見事な全試合一本勝ちでの優勝は「柔道家」という言葉がこれほど似合う選手はいないと感じさせましたし、女子57kg級の出口クリスタと芳田司の決勝戦は来年のオリンピックへと続くライバル対決として心が躍りました。来年が楽しみです。


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