幹事クリタのコーカイ日誌2019

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8月22日 ● 奥川は中1日で散る。

 僕は準決勝の前に星稜の奥川は中4日で決勝の履正社戦に臨んだ方が良いと書きました。準決勝の中京学院大中京戦で投げると中1日になってしまいます。強打の履正社打線相手では危うい、昨夏の金足農・吉田の二の舞になるのではないかと書いた通りになってしまいました。

 結局、準決勝で奥川は7回87球を投げました。昨年の吉田に比べたら少ないと言いますが、それでもやはり投げ過ぎでしょう。延長14回165球から中2日で7回87球。その疲れが中1日で取れるはずもありません。案の定、決勝で奥川は9回を投げ抜きはしましたが被安打11で5失点、奪三振はわずか6です。春の選抜で同じ履正社相手に17奪三振完封したことを考えれば、明らかに打たれ過ぎです。疲れが取れていないことは本人も認めています。

 もちろん、高校野球ファンはこうした物語が大好きです。好投手が積み重なった疲労に負けじと投げ抜いて、最後は力尽きて敗れる物語です。昨年の吉田もそうですが、奥川もまた今大会のヒーローとなり、優勝した高校よりも敗れた高校の方が持ち上げられるのです。「判官贔屓」好きな日本人好みの物語です。

 ただ本来のスポーツのあり方から考えれば敗者ばかりが称賛されるのは異常な物語です。ましてや成長途上の高校生の部活です。腕も折れよと投げ抜くことを美談にするのはいい加減やめたらどうかと思いますが、今大会もまた繰り返されてしまいました。せっかく大船渡の国保監督が佐々木を地方大会決勝戦で温存して問題提起したにも関わらず。

 高野連は準決勝、決勝の前にそれぞれ1日ずつ休養日を入れたことで、投手の過酷な連投を避けられたと自画自賛するかも知れませんが、実際に奥川が打ち込まれたことを見ても明らかなように、中1日の休みでは全く足りないことが証明されました。もちろん、そんなことはわかっていたことで、高野連の「やってます」というポーズに過ぎません。本当に球児の体調管理を考えるなら中3日以上は空けるべきでしょう。

 万全の体調の奥川と春からパワーアップした履正社打線の対決を見たかったのは僕だけではないと思います。本来のスポーツ好きなら誰でもベストパフォーマンスを見たいものですから。


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