幹事クリタのコーカイ日誌2019

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7月25日 ● 投げさせない大英断。

 この夏、一番注目されている佐々木朗希投手を決勝戦で投げさせなかった大船渡の国保陽平監督。花巻東に大敗を喫したために賛否両論あるようですが、佐々木の将来を考えて登板させなかったことは大英断です。これほど素晴らしい監督が高校野球界にいたことを岩手の野球界は誇って良いと思います。そしてこんな過密日程を組んだ岩手の高校野球連盟は真剣に反省すべきだとも思います。

 佐々木はかつて最高163kmの速球を投げましたが、体がその負荷についていかないという国保監督の判断で、ほとんどの試合で全力投球をしませんでした。それでも140〜150km程度の速球で何とかなってきましたが、さすがに岩手予選の準々決勝、準決勝では全力投球に近いピッチングをしました。21日に12回を1人で投げ切り、24日も9回を完封。この状態での連投、しかも相手は強豪の花巻東となれば、佐々木の肩や肘が壊れかねないという判断は当然です。

 これまで高校野球の勝利至上主義のせいで、どれほど多くの有望な投手が登板過多で壊れていったことか。それを高校野球の美学とかなんとか言って楽しんでいる高校野球ファンというのは、ローマ時代のコロッセオで剣闘士が殺し合いをしているのを見て楽しんでいる貴族と同じです。ローマとは2000年も時代がずれているのですから、時代錯誤も甚だしいと言うしかありません。

 何よりなぜこんな過密な試合日程にしているのかが疑問です。少なくとも準決勝と決勝の間に中2日、できたら中4日くらいあれば、佐々木も登板することができたでしょう。大阪や神奈川など出場校の多い都道府県はまだ準々決勝あたりをやっている時期です。岩手がもっとゆったりとした日程にしてもさほどの問題はありません。

 僕は昔から高校野球の甲子園至上主義も批判してきました。甲子園球場で開催せずにもっと分散開催をして、昼間は試合をやらずにナイター中心にする、もしくは涼しい北日本で行うか、ドーム球場で開催すれば疲労度も全然違うはずです。一番良いのは秋の神宮大会を中止して、準々決勝、準決勝、決勝戦は秋に行うことにすれば良いのです。地区予選から全国の決勝まで一気に試合を消化してしまおうとするから超過密日程になるのです。夏はせいぜいベスト8を決めるところまでとしておけば、秋も盛り上がるし選手の体調も整いベストシーズンに試合ができます。

 どうせそんなことを言っても高校生の部活を金儲けに使っている朝日新聞やNHKはレギュレーションを変えたりはしないことでしょうが、国保監督の英断が少しでも球児の体を守る足掛かりになればいいなと思います。


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