幹事クリタのコーカイ日誌2019

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5月24日 ● 全仏オープンドロー発表。

 全仏のドローが発表されました。ここ数年、ずっと新旧交代、世代間抗争と言いながら、いつまで経ってもその座を譲らない不思議な3人がいますが、今年の全仏こそ世代間の激しい戦いが繰り広げられることになるかも知れません。何より絶対的なクレーキングであるナダルに衰えが隠せないこと、ジョコビッチも安定感に欠けること、そしてハタチ前後の新世代が一気に力をつけてきていることが、前哨戦ではっきりしてきたからです。

 例年クレーシーズンに入るとナダルが「ほぼ全部勝つ」ものでしたが、今年は直前のローマこそナダルが取りましたが、あとの大会はその時に強かった選手が勝ったという感じでした。ナダルは強い時には強いのですが、どうも強さが続かないようで、大会終盤になると息切れをしています。5セットマッチで2週間にわたる全仏で果たしてナダルが最後まで強さをキープできるのかどうかが焦点になります。

 対するジョコビッチもかつての安定感がなく、思わぬ取りこぼしが目立つようになりました。ただビッグタイトルにおける狙いを定めたジョコビッチの集中力は凄まじいものがありますから、前半戦に伏兵に足をすくわれるようなことがなければ決勝まで勝ち上がる可能性はむしろナダルよりも高いかも知れません。

 若手は誰が飛び出してくるかはまったく読めません。その時々で波に乗った選手が一気にきます。一番パッとしないのが錦織を含めて中堅からベテランになってきた選手たちで、新旧の狭間で苦しんでいます。上から頭を押さえつけられているのに、下からガンガンと突き上げを食らっている中間管理職のようで、錦織もどこかで殻を破らないと、このままビッグタイトルに無縁でテニス人生を終えてしまいそうで心配です。

 戦国時代に突入した全仏だけに、ドローが勝ち上がりの鍵を握ります。錦織はナダルの山に入ってしまいました。順調に勝ち上がれば準々決勝でナダルと対決します。まだナダルが疲れ切る前ですからさすがに勝機は薄そうです。錦織の問題はその前に苦手のメドベデフと当たること。4回戦で苦戦して力を使い果たしてしまったら、ナダルより先にスタミナ切れしていそうです。あと、2回戦で地元のツォンガと当たるのもアンラッキーです。

 久しぶりに全仏に戻ってきたフェデラーは第3シードで登場。準々決勝で若手の星チチパス、準決勝でナダルです。さすがのフェデラーもクレーではこのあたりと対戦したら苦しいでしょう。むしろ後に控えるウィンブルドンのことを考えたら、無理のないところで負けて故障をしたりしないように気をつけてほしいくらいです。

 大坂なおみにはグランドスラム3大会連続優勝という大記録がかかっています。ただクレーではこれまで目立った結果は残せていないだけに、第1シードとは言え本命とは言い難いでしょう。しかし大坂はまだ発展途上の選手。クレーでの戦い方を大会中に身につければまた化ける可能性はあります。


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