幹事クリタのコーカイ日誌2018

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11月27日 ● 大阪万博2025。

 2025年の万博が大阪で決まりました。1970年の大阪、2005年の愛知に続く3回目の登録博となります。2020年東京五輪からの2025年大阪万博という、まさに昭和の日本高度成長期をなぞるような流れになります。もっと言えばスカイツリー完成やリニア新幹線開通も東京タワー完成や新幹線開通と同じ流れですし、この一連の「夢よもう一度」感が半端ありません。

 しかしそんな夢がもう一度訪れると期待しているのは一部の官公庁自治体や経済団体、ゼネコンに土建屋あたりだけでしょう。オリンピックはまだしも万博なんてもはや時代遅れのイベントという印象が否めません。

 と言うのも、かつての万博は産業見本市として発展しましたが、今では情報の流通の速度が段違いですから万博をやらなくても新しい技術や製品はいろいろなところですぐに触れられます。また1970年の大阪では「人類の進歩と調和」をテーマに最先端技術と未来の生活の融合を感じさせてくれましたし、愛知万博では環境をテーマにしたことで、科学技術の進歩一点張りではない今後の人類の持続的な発展のあり方を示しました。

 しかし今回の大阪万博はそうした普遍的なテーマ性が希薄です。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに健康や医療を中心にした先端技術を紹介するそうですが、それよりも何よりも「経済効果」ばかりが強調されています。夢洲の再開発とカジノ誘致の話ばかり。大阪らしいと言えばらしいのですが、都市が主体となるオリンピックとは違い、万博は国が開催するものです。だったら大阪ではなく日本としてどんな普遍的テーマを世界に提示できるのか、もっともっと練りこんだ方がいいでしょう。

 せっかく誘致に成功して開催することが決まったのですから、ぜひとも成功してほしいと願っていますが、地盤沈下が進む関西圏の再浮上のために万博をテコにして税金を国から分捕ろう、という「本音」だけでは、とても1970年の熱気の再現はならないと思います。


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