幹事クリタのコーカイ日誌2018

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10月15日 ● ハズキルーペとソフトバンクのCM。

 今年のCMでもっともインパクトがあったのは、auの三太郎シリーズでも日清の「大坂半端ないって」でもなく、やはりハズキルーペでしょう。渡辺謙&菊川怜のプレゼンバージョンでブレイクし、さらにいまオンエアしている武井咲の黒革の手帳バージョンになって、いよいよ突っ込みどころが増えて話題騒然です。セルフパロディするCMは今までもありましたが、いきなり前前作の舘ひろしが出てきた時には笑いました。ここまでやるなら石坂浩二も出してほしかったです。

 そんな話題独占中のハズキルーペにちゃっかり便乗したのがソフトバンク。なんと今のオリエント急行殺人事件風のCMに菊川が登場して、例の“名シーン”を本人自らパロディしているのです。菊川は堺雅人に勧められて列車の座席に腰掛けるのですが、「キャッ!」と叫んで飛び上がります。お尻でスマホを踏んづけてしまったのです。しかも目を輝かせて「もう1回」と再度腰を下ろします。挙句に本家でおなじみの「だぁいすき」まで完全再現しています。

 ここまで臆面もなくやるソフトバンクはすごいですが、犬のお父さんも突っ込んでいるように話が逸れ過ぎというか、迷走し過ぎな感はあります。パロられたハズキルーペにしてみればこれは「おいしい」ですが、ソフトバンク側は本当にこれで良いのかなと疑問に思ってしまいます。まあ賛否ある方が話題になるという意味では、これはこれで「あり」だという孫さんの判断でしょう。

 僕が広告業界に入った頃は、みんなとにかくカッコイイ広告を作りたいと思っていました。ソニーや資生堂やサントリーなどが憧れのクライアントの時代です。そこに関西発のキンチョーや関西電気保安協会の「オモシロCM」がドーンと登場してきて、「ああ、こういう手法もあるんだ」となりました。

 あれから30数年が過ぎ、いまハズキルーペのような広告のプロではない人が作ったCMがパワーを持っています。時代は変わっているのか、もしくは同じようなところを巡っているだけなのか、さてどうなんでしょう。


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