幹事クリタのコーカイ日誌2018

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9月14日 ● 昔不倫、今パワハラ。

 昨年秋に日馬富士よる暴行事件が起きてから大相撲を舞台にワイドショーや週刊誌が大賑わいしました。あれほど視聴者、読者を惹きつけたコンテンツはなかなかありません。芸能スポーツニュースを飛び越えて社会的な事件として取り上げられたのですから、マスコミとしては「これは商売になる」とばかりに次なる「パワハラ」事件を求めていたのだろうと思います。

 そこに女子レスリングの伊調馨と栄監督のパワハラ問題と、日大アメフト部の悪質タックル事件が起きました。ここでは現役選手と権力を持つ古い指導者というわかりやすい構造があり、はっきりとパワハラが提示されました。極めつけはボクシング界で起きた「男・山根明」劇場。これほどキャラが立った人物は日本のワイドショー史を振り返っても滅多にいるものではありません。もうパワハラ報道を求める流れは止まらなくなってしまいました。

 今回の体操界を舞台にしたパワハラ騒動も、こうした一連の「流行」の中で大きく取り上げられています。事件は報道されなければ事件として認知されません。「パワハラは数字が取れる」とマスコミがわかったからこそ、連日のように執拗に関係者たちを追い続けているわけです。

 そしてこの「パワハラ祭り」の陰で、その前の祭りであった「不倫祭り」はすっかり陰をひそめてしまいました。ベッキーのゲス不倫から始まった連続不倫報道は、次々と著名人たちを血祭りに上げていきました。不倫をしている著名人を見つけるたびに、みんなで寄ってたかって叩きまくり。まさにモグラ叩き状態でした。個人のプライベートなことで、あそこまで正義を振りかざしてリンチしなければならないのか、当時からそう疑問に思っていましたが、結局「祭りだったから」ということでした。

 不倫もパワハラも、わかりやすい「身近な」不正義です。自分自身、もしくは近しい人物が経験していたり、その話を聞いたりしていて、誰でも思い当る節があるからこそ、テレビや週刊誌で取り上げられると盛り上がってしまうのでしょう。よくわからないもっと大きな不正義、例えばモリカケ問題や公文書の改ざんはピンとこないけど、山根会長専用の豪華な椅子なら誰にでも「おかしいだろう」とよくわかります。

 しかし、祭りはいつか終わります。パワハラも1年を超えるとそろそろ飽きがくることでしょう。いま不倫している芸能人が多分「最近マークが甘くなったな」と感じているように、パワハラに心当たりがある権力者も目立たないようにしてこの祭りをやり過ごせば良いだろうと考えているかも。逆に下剋上を狙っている団体の人々は、ここを逃したらまた当分虐げられ続けることになるかも知れません。告発するならいまです。


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