幹事クリタのコーカイ日誌2018

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2月13日 ● 制服で服育できるのか。

 銀座の小学校がアルマーニの制服を導入するという話題が論議を呼んでいます。親の負担の問題は個々の懐具合によりますから一概には言えません。ただ「服育」のためにブランドの制服を導入するんだという校長の説明には違和感がありました。

 そもそも「服育」という言葉自体、あまり耳馴染みがありません。「食育」は良く耳にしますから「衣食住」と言われるように、食の教育もあるなら服の教育もあってしかるべきでしょうが、じゃあ「服育」とはどういうことを教えるものなのでしょうか。

 もちろん小学校で服のデザインや縫製を教えるわけではないでしょう。推察するに「健康に良い衣服」「安全な衣服」そして「自己表現としてのファッション」ということかなと思います。そこからの発展として、どういう服を選び、コーディネートし、着こなしていくかということの基本を学べば初等教育としては十分でしょう。

 で、そのために必要なのは、まず自分で服を選ぶことではないかと思います。アドバイスはあっても良いですが、選ぶのは親でもなく先生でもありません。自らが健康で安全で、なおかつTPOをわきまえていて、そして自分らしさを表現できるような服を選び着こなせるようになることが目標なのです。

 当然、お仕着せの制服を着ているだけでは「服育」など全くできないはずです。制服がアルマーニだから服育できて、ユニクロだからできないという話でもありません。まずは制服を廃止して、みんなが自由に服を選ぶことから始めるべきでしょう。真剣に「服育」を考えているなら、アルマーニの制服を選ぶという発想にはならないはずです。

 公立と言っても銀座では選択制で嫌なら選ばなければ良いんだそうです。逆に言えば選ばれなければ学校は生徒がいなくなり潰れてしまいます。ですから、アルマーニの制服を着ることができる公立小学校という売り文句で、何とか生徒に来てもらおうというマーケティングの発想が透けて見えてしまいます。「服育」なんて言葉を持ち出しても論理破綻してしまうのです。強引に導入してアルマーニの制服を着ている子どもたちが好奇の目に晒されないことを願うばかりです。


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