幹事クリタのコーカイ日誌2018

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1月29日 ● 必ず男の子が生まれるとは限らない。

 ちきりんが「皇位継承に男女平等を持ち込むのは変でしょ」というエントリーを書いています。連綿と続く血統こそが天皇たる正当性の証であり、それはすなわち出自による差別なのに、女性差別は容認できないにも関わらず血統による差別は容認するのは論理破綻だと。天皇制を認める以上は出自による差別を認めているわけで、「男女差別」だからと女性天皇、女系天皇を認めよという主張には矛盾があるという主張には一理あります。

 ただこの論理を進めていくと結局は天皇制廃止に行きつくことになります。なぜなら差別は「絶対的に悪」だとするのが現代の考え方であり、天皇制のみならず世界中の王制も含めて出自による差別であることは間違いないですから全て廃止した方が良いとなります。論理的にはそういう結論しかあり得ません。

 とは言え、現実的には天皇制を廃止することなど当分、と言うよりは日本と言う国が存在する限りは難しそうです。現在の天皇は素晴らしい人格者であり、天皇家も皇室としてほぼ理想的な存在である以上、天皇制を廃止しようなどと言ってもほとんど賛同は得られないと思われます。さらに言えば日本に天皇家があることによるメリットの大きさと、それを失ったら最後もう元に戻すことはとても難しいことをもってしても、差別だから天皇制廃止と言われても反対せざるを得ません。

 個人的には天皇家の人たちが国のために職業選択の自由、居住の自由、発言の自由などの諸々の基本的人権すら守られていない現状を憂いてはいます。しかも今回の退位発言からの一連の流れを見ればわかるように「天皇は個人的な感情に蓋をして国のために尽くすのが当たり前」という考えの政治家や評論家も多く、人権について改善される見込みがなさそうなことに、ますますその心中を思いご同情申し上げています。

 で、「くるりんぱ」と話は戻るのですが、差別という論点から女性天皇、女系天皇を容認するのは無理筋だというちきりんの主張には同感ですが、ではもし皇位継承権のある男子が途絶えた時に天皇制どうするのか、という現実的な運用上の課題は残ります。その時こそ天皇制を廃止すればいい、という考えならば別ですが、将来、悠仁さまが天皇になって男子を残せなかった時のことを想定しておくことは必須でしょう。

 本当に男子が途絶えた場合に、遠い血筋の明治天皇からの子孫を新たに一般人から宮家として創設してそこから男性の天皇を選ぶのか、もしくは過去にも例がある女性天皇を認めるのか、恐らく二者択一になることでしょう。どちらにしても感情的には納得できない人も多いことでしょうが、この場合、僕は女性天皇の方が過去にも例があったことですし、血筋も近く抵抗が少ないので認められやすいかも知れないと考えています。

 そしてさらに「その次」はどうするのか、女性天皇の次は女系天皇を認めるかどうかということになるので、ここでまた大きな論議を呼ぶでしょう。ただ実はもうひとつ実効的な案があります。側室を認めることです。皇室で側室を廃し一夫一妻制を始めたのは大正天皇から。まだ天皇家の歴史の中では浅いのです。2人くらい側室をもてば男子が生まれる確率もぐっと上がるでしょう。もちろん女系天皇以上に側室は世の中の抵抗が大きいだろうとは思いますけど。

 まあその頃にはもしかしたら医学がさらに発展していて完璧な性別の産み分けができるようになっている可能性もあります。人工的に試験管で男の子を作ってしまうことも簡単かも。それはそれで倫理的にどうなんだという点では、側室とはまた別の論議が起きそうですが。結局時代の流れの中で国民が一番感情的に納得できる形をとるしかないだろうということです。そもそも天皇制自体が理屈ではなくエモーショナルな存在なのですから。


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