幹事クリタのコーカイ日誌2017

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12月6日 ● 羽生永世7冠。

 羽生善治棋聖が渡辺明竜王との竜王戦を4勝1敗で制してタイトルを奪還、これで竜王通算7期となって永世竜王の称号を獲得しました。将棋界の8大タイトルのうち新設の「叡王」以外の7タイトルで永世称号の資格を得たことになり、史上初の「永世7冠」資格者となりました。まさに快挙です。国民栄誉賞にも値するほどの偉業です。

 羽生が永世7冠を達成するのはもう難しいのではないかと思っていました。谷川浩司王将を破って「7冠」を達成してから20年以上。天才羽生も年齢を重ね、少しずつ失冠していき今やタイトルは棋聖のみ。特に竜王は2003年に失って以来、幾度も挑戦しては跳ね返されてきました。世代交代は着実に進み佐藤天彦名人を筆頭に20代のタイトル保持者が続々と生まれています。

 対して40代後半になった「羽生世代」の退潮は著しく、名人戦で名勝負を繰り広げたライバル森内俊之九段はB級に陥落したのを機にフリークラスに転出。永世名人の資格を持つ森内がもう「名人」を目指さないというのは羽生世代の落日を象徴しています。羽生も今回の挑戦で竜王を取れなければ、もう永世竜王は無理かもと見られていましたが、見事なタイトル奪還劇でした。

 これで羽生は99個目のタイトルとなり、通算100期までもあとひとつ。何度も「羽生の時代は終わった」と言われながら、そのたびに復活してきた羽生のことですから、今回の竜王奪還で100期も通過点に過ぎない気がしてきました。テニスのフェデラーや競馬の武豊と同じように、ずば抜けた実力と人気を長年に渡って維持し続ける羽生の限界はいつ訪れるのでしょうか。空恐ろしい棋士です。


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