幹事クリタのコーカイ日誌2017

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11月27日 ● 重鎮なき相撲界の混沌。

 九州場所は白鵬の40回目の優勝で幕を閉じました。大記録です。本来ならこの大記録の話で持ちきりになっても良いくらいなのですが、やはり話題は日馬富士暴行問題になってしまうのは仕方ないところでしょう。白鵬本人も千秋楽のスピーチで異例の挨拶をしました。そして、その内容がまた物議を醸しています。

 最初に土俵外のことで騒がせたことを謝罪したのは第一人者の横綱としては決して間違ってはいません。それだけの責任感を持つことは当然必要です。ただその後がいけませんでした。「膿を出し切る」「日馬富士、貴ノ岩を再びこの土俵に立たせたい」と言ってしまいました。「膿を出し切る」と言っても、白鵬は事件の当事者の一人です。いわば「膿」側の人間なのかも知れないのです。それをまるで第三者のような顔でしれっと言われたら、そりゃおかしいだろうという話になります。

 ましてや被害者の貴ノ岩はまだしも加害者である日馬富士を戻したいなどとは、白鵬が言及すべきことではありません。それを言うことでもしかしたら相撲協会、危機管理委員会、横審、さらにはマスコミや世論にアピールしているつもりなのかも知れませんが、もしそうだとしても逆効果でしかありません。「お前がいうことか」と言われるのが落ちです。全く筋が通らないからです。

 解説の北の富士も横審の北村委員長も言っていましたが、万歳三唱も誉められたことではありません。こんな問題が起きている時にどうして「万歳」なんて言えるのか?正直言って、一緒に調子に乗って万歳をしていた観客もおかしいでしょう。あそこはブーイングをするべきところです。まあそこはいろいろ捉え方や場の雰囲気もあるので不問にするとしても、八角理事長を差し置いての一連の発言は明らかに横綱が理事長の上に立とうとする越権行為だと思います。貴乃花親方にも無言でプレッシャーをかけられている八角理事長は、白鵬にも舐められていることが露呈してしまいました。その指導力の無さは平時ならさほど問題になりませんが、こうした非常時では罪です。

 大鵬も北の湖も千代の富士も立て続けに死んでしまい、現役時代の実績で貴乃花や白鵬を黙らせられるような重鎮は今の相撲界にはいません。彼らが頭が上がらないような人物が誰もいないのです。せめて朝青竜が人格者なら良かったのですが、むしろ真逆の人間ですから相撲界のカオスを加速させるばかりです。力士が早死なのは、こういう時に困ります。


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