幹事クリタのコーカイ日誌2017

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7月13日 ● 嘉風の無言の抗議。

 まあ今さら白鵬についてとやかく言うのもという気はしますが、今日の嘉風との一番はやはりいただけません。全勝同士の対決ですから、ファンとしても大いに楽しみな取り組みだったのに。立ち合いの変化。まさか変わるとは想像もしていなかった嘉風はあっけなく送り出されてしまいました。ファンの溜息とともにたっぷりの懸賞を受け取って得意顔の白鵬。これが大相撲史上に残る大横綱だというのですから、つくづく悲しくなります。

 白鵬の相撲は昔から横綱としての品位に欠けます。顔を張ったり、肘でかち上げたりというのも下品な取り口ですし、昨日の貴景勝との一番でも途中でプロレスまがいの挑発をしたりと、常々尊敬していると口では言っている双葉山や大鵬が決してやらないようなことばかりしています。

 今場所は魁皇が持つ通算勝利数記録を塗り替える場所ですが、こんな相撲で記録を更新しても、記録に泥を塗るようなものです。しかも今場所は鶴竜が早々に休場し、稀勢の里も不調。日馬富士も元気がありません。新大関の高安が1敗で何とかくらいついてはいますが、優勝はもう白鵬で決まりだろうとみんな思っています。

 そんな場所で東正横綱であり第一人者の白鵬が考えるべきことは、自分が勝つこと以上に場所を盛り上げることでしょう。そのためには全勝対決となる元気な嘉風を堂々と受け止めて、嘉風に十分暴れさせて観客を喜ばせるような面白い相撲を見せることです。嘉風が変化するならともかく、白鵬が変化して勝っても誰も幸せになりません。

 嘉風が変化されて後ろを向いてしまった後に、抵抗せずに送り出されたのも、僕は嘉風の無言の抗議だと感じました。「それはないだろ、横綱」と嘉風が背中で言っているようでした。大相撲は興行です。同じ相手と毎場所繰り返し対戦します。ファンに飽きられないためには、何より「土俵の充実」が大切です。だから横綱はただ勝てば良いのではありません。横綱らしい堂々とした強さを示して勝つことが求められるのです。今のままなら白鵬は「記録だけ」大横綱です。


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