予想通りというか、予想以上に都議選で自民党が大敗を喫しました。選挙期間中にあれだけいろいろと問題が起きては勝てるはずもありませんが、予想以上の惨敗となったのは安倍首相の「驕り」から生じた子どもっぽい態度や言動にあったのではないかと思います。

　第１次安倍内閣当時から安倍首相は出来の悪い坊ちゃん政治家だなとは思っていました。早々に総理大臣の椅子を降りて良かったなと思っていたのに、民主党政権時代の酷さのお蔭で自民党１強になり、そこにうまく乗っかっただけなのにまるで自分が大政治家になったかのような勘違いをしてしまったのが、今の安倍の「独裁」を生んだのだろうと思います。

　もともと勉強が苦手らしく間違いも多いし発言が子どもっぽいのは仕方ないのですが、自分が万能だと思い込んでいるのか、思うとおりにならないとすぐにヒスを起こします。そのたびに発言が二転三転して自分の言ったことを忘れてしまうし、批判的な意見は聞かずに耳触りの良い言葉しか受け入れません。自分を持ち上げる「お友達」（という名の利用しようと近づいてきている人たち）ばかり優遇して、自らを批判する人間は誰であろうと「敵」扱いです。

　都議選の応援演説で「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と言ったのは本当に酷いと思いました。一国のトップの発言ではありません。「こんな人たち」だって安倍政権を批判していますが都民であり国民です。首相として守るべき人たちです。批判されただけで首相が国民を「敵」に認定していいわけがありません。

　過去にも都議選での結果がそのまま国政に反映されて政権交代が起きてきました。今回の自民党の歴史的大敗は、このまま安倍政権が続けば来年には総選挙での自民党大敗へとつながるでしょう。すでに公明党は今回都議選で都民ファーストと共闘したように安倍政権と距離を置きつつあります。自民党内部でも反安倍派の動きが活発になってくることでしょう。もうこうなると今から稲田防衛相の首を切ったくらいでは取り返しがつきません。風がすっかり変わりましたから。

　今後のポイントは小池都知事と誰が、いつ手を組むかです。公明党、維新は小池と組みやすいでしょうが、民進党と共産党はまず難しいでしょう。もっとも民進党はどんどん議員が離党して個別に小池に合流していくだろうと思いますけど。自民党の反安倍派と小池が手を組むには少し時間がかかりそうです。総選挙までに小池がしっかりそうした体制を作れたら勝ちですから、安倍はその時間を与えないために内閣改造をしたらさっさと解散総選挙をしてしまった方が良いんじゃないかと思います。もっとも安倍の念願である改憲はどちらにしてもこうなると難しいでしょうけど。