幹事クリタのコーカイ日誌2017

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6月28日 ● 政治家と官僚の関係。

 文科省の前事務次官である前川喜平氏が立ち上がって以降、どうやら文科省は「対安倍政権」の戦闘モードに入ったようです。と言っても前川氏のモットーである「面従腹背」戦法ですから、なかなか表立った戦闘にはなっていませんが、安倍政権にとってはかなり辛い戦いになるだろうと思います。何より安倍政権にとって怖いのは、この文科省との局地戦が他の省庁に広まって、政府と官僚機構の全面対決になることで、そうなったら政権は機能不全に陥ってもたないことは火を見るより明らかです。

 安倍政権が官僚に反感をもたれているのは、「内閣人事局」を作って官僚人事を握り、それを使って官僚を抑えつけたからでしょう。それも公明正大な納得性の高い施策を行うためならともかく、森友学園や加計学園、また女性ジャーナリストレイプ事件のように、安倍首相の「お友達」を厚遇するために「私的」に官僚を使っているのでは、官僚側に不満が溜まるのも当然です。

 小泉政権時代に官僚は「抵抗勢力」だとレッテルを貼られ、「政治主導」という名の下に現在のような官僚統治機構が作られたわけですが、それを安倍政権は悪用しているとしか考えられません。もし自分たちに恥じることがないのなら、逃げ回ることもなく「印象操作」だと妙な主張をすることもなく、堂々と証拠を示して反論すればいいのです。「文書が確認できない」「記憶にない」などと曖昧な誤魔化しばかりしているから、ますます疑惑が膨らみ支持率が下がるのです。

 かつて民主党政権が「事業仕分け」で官僚をこっぴどく叩いた時も同じようなことが起きましたが、本来政治家と官僚は戦うべきものではなく、協力して仕事を進めるパートナーのはずです。政治家が理念を提唱し、それを具体的に落とし込んで実行していくのが官僚のはず。日本でももっとも優秀な学生たちが官僚になっていくのに、そのせっかくの人材をうまく使いこなせない政治家は、それだけで国家に損失を与えています。ましてや自分の「お友達」のために彼らを使うなど公金横領と同じです。

 それにしても第1次安倍内閣では「お友達内閣」を作り、今回は「お友達」のために官僚に忖度をさせ、本当に安倍首相はお友達思いだなぁと感心します。もちろん、私人としては悪いことではないのですが、公人としては「李下に冠を正さず」を徹底していただきたいと思います。


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