幹事クリタのコーカイ日誌2017

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5月31日 ● 錦織の全仏初戦。

 注目の錦織圭の1回戦はオーストラリアの若手タナシ・コキナキスとの対戦でした。コキナキスは同じオーストラリアの若手筆頭のキリオスの1歳年下でこれも注目の若手選手でしたが、故障による手術で昨年はほぼ試合に出ることができませんでした。実力は十分にあるものの、どれくらい回復しているのかわからなかったのですが、昨日のコキナキスはかなり良い状態でした。

 コキナキスの武器は長身を生かしたサーブと強烈なフォア。若手の選手にはこうしたパワー系の選手が多いのですが、ハードコートならまだしもクレーでは最後までこのスタイルで勝ちきるのは難しいです。なにせクレーではいくらハードヒットしてもなかなか1本では決まりません。粘り強く打ち続けられる体力、精神力、技術力が求められます。

 第1セットのコキナキスはかなり高いレベルでプレーを続けていました。もともとスロースターターの錦織は先にブレイクされてしまうと苦しいだろうなと思っていたのに、あっさりブレイクされて、そのまま4-6と押し切られてしまいました。ブレイクバックのチャンスはあったのに取り切れないもどかしい展開。しかし、第2セットからは錦織のプレーのギアが上がりました。コキナキスもそれほど悪くなったわけではないのですが、錦織らしいショットがたびたび出て一気にセカンドセットを6-1と圧倒して奪取しました。

 第3セットはまたコキナキスが先行したのですが、これも錦織が勝負強さを発揮して逆転して取り、さらに第4セットも錦織がワンブレイクのまま押しきって勝利。危なげなくとは言えませんが、それでもまだ少しの余裕を残して1回戦突破しました。手首の痛みが出ることだけが不安材料ですが、それがなければやはり世界のトップクラスの実力があるなぁと見ていて感じました。あれだけ失うものがない強みでガンガンと攻めてくるコキナキスを相手にきっちり勝ちきれる強さは大したものです。

 錦織にとってラッキーなのは4回戦で当たる予定だった20歳のA.ズベレフがベテランのアルマグロに負けてしまったこと。若手はやはり安定感がまだ足りません。これで錦織には準々決勝までの道が開けた感じです。後は準々決勝に出てくるのがマレーなのかデルポトロなのかですが、どちらが出てくるにせよ、錦織が万全なら勝機は十分にあると思います。本人も言ってましたが「痛みが出ないこと」だけを祈りましょう。


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