幹事クリタのコーカイ日誌2016

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3月11日 ● デ杯改革案。

 テニスファンであっても最近はあまり注目されていないデ杯。かつては(と言っても40年以上前)国別対抗戦として、グランドスラム以上に注目を集めていた大会ですが、今ではツアーの過密スケジュールの影響もあって、なかなか有力な選手が出てくれなくなってしまい、それに伴って人気も下降気味。日本でも先日行われたフランス戦で自国開催にも関わらずエース錦織が欠場してしまいました。

 デ杯改革案として国際テニス連盟(ITF)は現状の5セットマッチを3セットマッチにして大会期間も3日間から2日間にするなどの試案を発表しています。ただこれでは全く抜本的な改革には程遠いと思います。

 確かに日程を短縮し試合への負担を減らせば今よりはトップ選手が少しは参加してくれるようになるかも知れませんが、恐らくそれは「少しは」程度のことでしょう。そもそもの問題はツアースケジュールが過密過ぎるのに、トップ選手への出場義務があって彼らが休みが取れないことにあるのです。そのために常にトップ選手はオーバーワークによる故障の不安を抱えながら戦い続けることになっているので、どうしても個人のランキングに関係ないデ杯は回避して休息を取ることになりがちです。

 これを打開するにはデ杯の価値を高めて、もっとトップ選手が出たくなるモチベーションを上げることと、出やすい環境を整える必要性があります。そこで参考にすべきはサッカーW杯です。サッカー界でW杯以上の大会はなく、選手はみな自国代表のユニフォームを着て戦うことに誇りを持っています。デ杯も同じ位置づけに持っていくためには何が必要か?それは開催期間をきちんと決めることです。

 今は毎年各地で開催されてその年の王者を決めていますが、これを3〜4年に1回くらいのスパンにして、1か所に集めての集中開催とします。そしてデ杯イヤーはデ杯のためにツアースケジュールを空ける必要があります。1ヶ月くらいツアーを休んで2週間程度の大会として開催すれば、トップ選手も参加できることでしょう。やるならグランドスラムの間が長い全豪と全仏の間(3〜4月)か、全米と全豪の間(10〜11月)でしょう。ツアーファイナルがある秋よりは春の方が選手たちの体調も良いし適しているかも知れません。

 開催地はオリンピックのようにどこかの都市に限定するよりは、W杯のように国単位で開催して各地で試合を行った方が盛り上がると思います。まあテニス界は一枚岩ではないですから、ツアースケジュールの調整はかなり難航するでしょう。ITFがツアーを管轄するATPと向き合ってそこまでの抜本的な改革をする実行力があるかどうかと言われればかなり疑問ですけど。


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