幹事クリタのコーカイ日誌2016

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10月30日 ● 錦織は来年が勝負の年。

 スイスのバーゼルで開催されているATP500の大会で錦織は決勝に進出するもののチリッチに敗れて準優勝に終わりました。もちろん準優勝は悪い結果ではありませんが、せっかく準々決勝でデルポトロに初めて勝ったことですし、過去に勝ち越しているチリッチとの決勝だったのですから優勝して終わりたかったところです。チリッチとは対戦成績こそリードしているものの、あの全米決勝を筆頭に、どうも大事な試合で負けることが多く嫌な相手です。

 さて今年のツアーも残すところパリのマスターズ1000とツアーファイナルのみとなりました。順当にいけばどうやら今年の錦織はランキング4位で終わることができそうです。上にはジョコビッチ、マレー、ワウリンカの3人だけ。来年1月の全豪のことを考えると4位と5位では大違いですから、このランキングをキープしてほしいもの。そうすれば来年はもっとグランドスラムでの優勝の可能性が高まります。

 長らく続いた「ビッグ4」による支配も来年はいよいよ崩れて混戦の年になりそうです。休養中のフェデラーは復帰するかも知れませんが、もはや全盛期には及ばないことは明らかですし、故障が頻発するナダルもキャリアの終盤を迎えています。そして盤石の強さを誇っていたジョコビッチは今年後半から失速しています。モチベーションの低下と年齢による体力的な衰え、故障のトリプルコンボでピークを過ぎてしまいました。ビッグ4の中では最弱のマレーが相対的に強さを示していますが、錦織の前に立ちふさがる壁がかなり薄くなったことは間違いありません。

 錦織より年下の選手たちももちろん追い上げてきていますが、まだ今のところは錦織の方が上です。ゴフィン、ティエム、キリオスらが全盛期を迎えるにはもう少し時間がかかりそうです。つまり今からの短い期間、恐らく来年から1年か2年が錦織にとってビッグチャンスなのです。年齢的にはピークを迎えますし、チャンピオンの交代期で混戦になります。錦織とその同世代のラオニッチ、チリッチ、デルポトロが主役となれるのがこの2年間くらいでしょう。

 チリッチとデルポトロはすでにグランドスラムタイトルを獲得しています。錦織にもぜひ来年は全豪か全米あたりで優勝してほしいです。ここで錦織が逃すと、もう日本男子がグランドスラムのシングルスタイトルを取る姿など生きている間に見られるかどうかわからないので。


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