幹事クリタのコーカイ日誌2016 |
7月8日 ● フェデラーの衰え。 昨日に続きフェデラーの話です。ウィンブルドン準決勝、対ラオニッチ戦。フェデラーは準々決勝に続き「ポスト4強」世代への壁になれるか、という点を注目していたのですが、フルセットの末に逆転負けを喫してしまいました。それもこのままいけば勝てるだろうという試合の流れだったのですが、ロングマッチになって急に失速した感じの負け方です。 ラオニッチももちろん良いテニスをしていました。かつての強打一辺倒の頭の悪そうなテニスから脱して、きちんとショットの組み立てもできていたし、ドタバタしていたフットワークも改善されていました。とは言え、3セット目まではやはりフェデラーの洗練されたテニスに比べたら、サービスに頼ったテニスだなという印象は否めませんでした。 なのになぜラオニッチが逆転で勝利を得ることができたのかと言えば、やはりフェデラーが衰えたとしか言いようがありません。それほど終盤のテニスは「らしくない」テニスでした。足はもつれ集中力も切れていました。ポイントできるのはサービスからのショートポイントだけで、ロングラリーではほとんどラオニッチに押されていました。 もちろん単なる衰えではなく、手術した膝に痛みがあったのかも知れません。またチリッチ戦の激闘の疲れが残ってもいたでしょう。それにしても「ここぞ」という大事なポイントでのミスが多く、あれでは勝てるものも勝てません。そもそも過去のフェデラーなら4セット目できっちり試合を終わらせていたことでしょう。大事なポイントを取りきれないからファイナルに持ち込まれてしまうのだし、そこでもまた疲れが倍加して肝心なところでミスが出てしまうのです。 ジョコビッチが早々に負け、天敵のナダルも欠場している今大会。フェデラーにとっては久しぶりにグランドスラムで優勝する大チャンスが巡ってきていただけに、ここで負けたのは残念です。こうなるとフェデラーもいよいよ引退を考えるのではないかと感じてしまうほどでした。かつての無敵さをよく覚えているだけに、若手に負けてばかりいるフェデラーは見たくないのですが、かと言ってフェデラーがいない男子ツアーも興味が薄れます。できることなら試合数を絞って体調を整えてカムバックしてほしいと思いますが、年齢も年齢だけにどこまで期待していいのやら。 |