幹事クリタのコーカイ日誌2016

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6月10日 ● 有名人に秘密はないのか。

 今さらですが、有名人は大変だなと思います。ベッキーも乙武もファンキー加藤も三遊亭圓楽も大変です。一緒にするなと言われるでしょうが、市川海老蔵も実はコインの裏と表みたいなもので大変です。知られたくない秘密をどんどん暴かれてしまい、騒がれて本人に関係のないところで盛り上がっています。それが不倫なら世間はさもお墨付きを得られたかのように盛大にリンチを繰り広げますし、海老蔵のような場合でも会見を開いて世間が満足するような「家族愛」を見せなければなりません。奥さんが深刻な病状でそんな余裕などないでしょうに、そこで対応を誤ると一転して叩きにかかるのが今の世の中ですから。

 昔から「有名税」などという言葉はありましたが、当時は一部の週刊誌が騒ぐだけでしたから、きちんとマスコミと話をつければ今のような炎上騒ぎにはなりませんでした。芸能マスコミだって持ちつ持たれつの関係ですから、あまり無茶な報道はしません。アイドル同士が付き合っていたって、俳優に愛人や隠し子がいたって、みんな知っていても内緒にしてくれていました。

 もちろん今とはいろいろな意味で「時代が違う」からです。今は昔よりモラルに厳しくなっています。それに対して不倫はずっとしやすくなっています。『男もすなる日記といふものを女もしてみむとするなり』は、土佐日記の有名な冒頭ですが、この「日記」を「不倫」に置き換えたら今の日本の女性たちの状況を言い表しています。昔の男の浮気相手というのは水商売の人だったりしたのですが、今は普通の奥様とかが普通にしています。それほど心理的なハードルは下がっています。

 また文明の利器のお蔭で実務的にも連絡ははるかにとりやすく楽になりました。携帯電話、メール、そしてLINEと、次々と不倫に適した環境が整えられていきます。会社の書類にメモを挟んで連絡を取り合っていた上司と部下はさぞかし大変だったことでしょう。不倫がしやすくなって、実際にその件数も増えたからこそ、より不倫に対して建前的には厳しくなったのではないかと思います。

 まあ不倫はまだ叩かれても良いでしょうが、海老蔵の件はさすがにマスコミはやり過ぎではないかと思います。世間には秘密にしておきたいし騒がれたくもない生死に関する重い病気について強引に記事にし、さらに記者会見まで開かせる。海老蔵の会見の映像を見ると、これは一種のレイプだなと思いました。なぜ彼らをそっとしておけないのか?単に有名人だから、というだけでは説得力を持ちません。きちんとした線引きをする必要があるのではないかと思います。


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