幹事クリタのコーカイ日誌2016

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6月6日 ● ジョコビッチの最大の敵。

 ジョコビッチが圧倒的な強さで全仏オープンを制しました。これでジョコビッチは史上8人目の男子シングルスの生涯グランドスラムを達成しました。ジョコビッチの強さを考えたら遅すぎるくらいです。そして「ビッグ4」のうち3人が生涯グランドスラムを達成している偉大なチャンピオンだというのですから、この時代の異常さがわかります。彼らと同じ時代を過ごしている他の選手にとっては本当に不幸なことです。

 そしてジョコビッチはこれで昨年のウィンブルドンから全米、全豪、全仏とグランドスラム4連勝です。これを女子で達成したセレナ・ウィリアムズは「セレナスラム」と呼んでいましたが、ジョコビッチも彼の愛称から「ジョーカースラム」と言うのだそうです。生涯グランドスラムはフェデラーもナダルも達成しましたが、グランドスラム4連勝はロッド・レーバー以来、男子では誰も達成できなかった快挙です。

 そしてジョコビッチはさらに偉大な記録に挑みます。7月のウィンブルドンと9月の全米を制すれば、その1968年のロッド・レーバー以来の「年間グランドスラム」達成となります。これまでレンドルもサンプラスもフェデラーもナダルもなし得なかった大記録ですが、いまのジョコビッチなら可能性は十分にあります。フェデラーとマレーという芝が得意な2人のチャンピオンがウィンブルドンでジョコビッチを止められるかどうかが焦点ですが、今の彼らとジョコビッチの力の差を考えたら、年間グランドスラム達成もたやすいのではないかと感じてしまいます。

 さらに加えて今年はリオ五輪があります。男子では過去に誰も達成していない、女子でも1988年のグラフだけの大記録「ゴールデンスラム」も視野に入ってきました。4年に1度しかないチャンスであるゴールデンスラムもジョコビッチの実力なら可能性は十分です。問題があるとしたら、過密なスケジュールによる怪我の心配くらいかもしれません。

 トーナメント制だから仕方ありませんが、一番勝ち残る選手は一番試合をたくさんする選手です。当然疲れも溜まりますし、怪我をする要因にもなります。しかも全仏に始まり、ウィンブルドン、五輪、全米までがわずか4ヶ月ほどの間に立て続けに行われるタイトさ。その全てで決勝まで勝ち残っていたら相当なハードスケジュールになってしまいます。それゆえにグランドスラムを優先して五輪をスキップする選手も多いのです。ジョコビッチにはライバルたちよりも手強い難敵かもしれません。


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