幹事クリタのコーカイ日誌2016

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5月22日 ● 独占欲が生む不幸。

 女性アイドルが男性ファンに20か所以上刺されて重体という悲惨な事件が起きました。ファンというよりもストーカーになっていたようで、虚像としてのアイドルではなく、実物の本人と付き合えると勘違いして起こした悲劇という気がします。AKB48が「会いにいけるアイドル」を標榜して以来、アイドルとファンの距離感がぐっと縮まった結果、ファンはアイドルに対して何らかの妄想を抱くようになり、それが行き過ぎるとこういう事件が起きるのかなと思います。

 これは暴走してしまうファンだけを批判すれば済む問題ではありません。ファンにそういう妄想を抱かせるようなシステムを作り上げたのはアイドル側ですから、時には妄想をこじらせてしまうようなファンが生まれるリスクも当然抱えていることを認識すべきです。「僕だけの○○ちゃん」だと思い詰めた時に、彼女が思い通りになってくれないから刺す、という安易な飛躍にたどりついてしまうことだってあるということです。

 嫉妬から生まれる独占欲はまず碌なことになりません。人は誰であっても他人を思い通りにすることなどできないということを学校できちんと教え込むべきです。それを学ばずに大人になると、思い通りになってくれない他人を傷つける行為に走ります。これは本当に誰でも簡単にそうなります。独占欲ほど人を簡単に歪めるものはなかなかありません。

 ゴールデンボンバーの新曲のタイトルが「水商売をやめてくれないか」です。何とも切ないタイトルです。タイトルだけでほぼ歌詞の内容の推察がつきますが、実際その通りの歌詞です。男は彼女の水商売をやめさせるほどの財力もないけれど、でもイヤなんです、仕事であっても彼女が他の男と仲良くするのが。頭ではわかっていても、気持ちがそれについていけない、むしろ気持ちが上回ってしまうのが独占欲なのです。

 水商売ではなくても男性相手に営業や販売の仕事をしている女性は、彼氏から見たらきっと心配だし不安でしょう。「お客さんだから仕方ないでしょ」などと言われても、嫉妬心と独占欲がむくむくと頭をもたげてきます。「モテそうな男の人はイヤ」という女性は意外なほど多いです。これも独占欲に支配されてしまう自分がイヤなのでしょう。

 それだけ強い力があるからこそ、そこに目を付けたアイドル商売が儲かるわけですが、独占欲は不幸しか生まないということをくれぐれも肝に銘じておかないと、本当に人生をダメにしかねません。ま、半分は僕自身に言い聞かせていることです。なにせ思い通りにならないような女性は峰不二子以来ずっと魅力的ですから。


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