幹事クリタのコーカイ日誌2016

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3月14日 ● 火星でサバイバル。

 映画『オデッセイ』を見てきました。ちなみに僕は映画の感想で「ネタバレ」とか気にしないので、イヤなら読まない方が良いです。と言うか、ネタバレを気にするような映画じゃないですし。火星にひとり取り残された宇宙飛行士がサバイバルして、そして還ってくるという話です。生還できるのは最初から見え見えですから、「どうなる?」というより「どうする?」という映画です。

 とにかく「アメリカだなぁ」という映画でした。明るくてポジティブで前向きでハッピーで善意の塊。全く悪人が出てきません。普通ならもっと悪い奴が出てきて邪魔とかするものなのですが、いつもなら仮想敵国である中国までが全面的に協力してくれます。ほのぼのとしていてコメディタッチですらあります。事態の深刻さを敢えて逆に軽く描こうとしたのかも知れません。リドリー・スコットってこんな映画を作る監督だったっけ?と思いました。

 マット・デイモンは相変わらず良いです。彼はコメディもこなせるし、知的で、でも肉体派で、とぼけた味わいもあるのですから、この映画にはぴったりでした。宇宙飛行士って賢くて体力もあってスーパーマンだよなぁと感心してしまいます。

 映像も見事でした。特に火星の光景は「これぞ火星」という美しさと恐ろしさの両方を表現していました。火星ロケしたのかなと思うほどリアルに感じました。行ったことないけど。また宇宙船内外での表現もリアルで、本当に今は何でも描けてしまううんだなと驚きます。

 そして音楽。主人公は嫌っていましたが、70年代のディスコミュージックが効果的に使われていて、これがまた映画の前向きさとか軽さをうまく表現していました。僕はそれほどディスコミュージックには詳しくないのですが、それでもほとんどが聞いたことがある耳馴染みのある曲だけに、余計に楽しむことができました。特に先日亡くなったデビッド・ボウイの「スターマン」を使ったところは良かったです。

 本当に隙のないよく出来た映画ですが、唯一気になったのはタイトル。なぜ「オデッセイ」なんてイメージにしくい邦題をつけたのか?原題の「The MARTIAN」で良いのに。「火星の人」、つまり火星人です。タコのような姿をした火星人は実際にはおらず、彼が初めての「火星人」になったわけで、それをストレートにタイトルにした方が良かったと思いますけどね。じゃなければ「火星漂流記」とか「火星でサバイバル」とか、そういうベタなタイトルにするか。カッコイイ映画というよりは「鉄腕ダッシュ!」な映画なんですから。


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