幹事クリタのコーカイ日誌2016

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1月31日 ● ジョコビッチの強さはいつまで続くのか。

 全豪男子シングルスはジョコビッチが優勝しました。決勝は行われはしましたが、実際には準決勝が終わったところで、もはや決勝の結果はわかったも同然でした。最強の挑戦者であるフェデラーがジョコビッチに歯が立たなかったからです。いまのフェデラーは3セットマッチならジョコビッチに勝てる可能性はありますが、5セットマッチのグランドスラムではちょっと勝つのは無理かなと思われます。やはり体力の差がはっきりとあるからです。

 そしてもう一方の準決勝でラオニッチが負けた時点でジョコビッチの優勝は決まったようなものでした。今年のラオニッチは素晴らしいテニスを続けています。かつてはサーブだけで勝ってきたようなところもありましたが、今はストローク力が増したし、ネットプレーもさらに向上しています。攻撃力という意味ではバブリンカにひけをとりません。ジョコビッチの鉄壁の守りを崩すことができるのは爆発的な攻撃力を持った選手のみができることです。それがスピードのあるフェデラーか錦織であり、パワーのあるバブリンカ、ラオニッチということになります。

 マレーはジョコビッチに次ぐナンバー2ですが、完全にちょっとレベルが落ちるジョコビッチになってしまっています。プレースタイルがあまりにも似通っていて、しかも攻撃力も守備力もメンタルも全てが少しずつジョコビッチに劣っています。これではジョコビッチとの直接対決で勝てるはずがありません。とりわけグランドスラムという大舞台ではメンタルの差がはっきりと出ます。決勝で負けないジョコビッチと大事な勝負に勝てないマレー。戦う前から世界中のファンは結果を予想できていたと思います。

 さて、驚いたのは女子シングルス決勝でした。第1シードのセレナが圧倒的に有利だと思われていたのに、第7シードのケルバーがフルセットで勝ってしまいました。セカンドセットをセレナが取り返してタイにした時点で「結局セレナの優勝か」と誰もが思ったはずなのに、よくそこからケルバーが挽回して勝利を手にしたと思います。セレナは今回優勝していればドイツのグラフの記録に並ぶグランドスラム22回目の優勝になりました。ドイツの後輩ケルバーがそれを阻止したのも何かの力が働いたのかなと思います。

 とは言え、今年もまたジョコビッチとセレナを中心にツアーが回ることは変わらないのだなと確認できた大会でもありました。特にジョコビッチの強さは揺るぎなさそうです。フェデラーもナダルも現役でありながら「生ける伝説」となった偉大な選手ですが、その2人を置き去りにする強さを誇るジョコビッチ。まさに史上最強選手です。錦織も大変な時代に巡り合ってしまったものです。年下の錦織としてはジョコビッチの「衰え待ち」になりそうですが、今のジョコビッチを見ていると、先に錦織の小さな体が悲鳴を上げるかも知れないと心配になります。


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