男子テニスのシーズン締めくくりの「ツアーファイナル」がいよいよ１５日から始まります。今年は早々に８人の出場選手が決まりました。それだけ上位８人の安定感が抜きん出ていたということです。その８番目に錦織が食い込んで、２年連続の出場を果たしたのは素晴らしいことです。昨年は見事にベスト４に進出しましたが、今年は８人中８位ということで厳しい戦いになるとは思いますが、もちろん応援＆期待したいと思います。

　錦織にとって問題はまずドローです。８人を２組に分けて４人総当たり戦をやり、その上位２人が決勝トーナメントに進みます。１位と２位、３位と４位、５位と６位、７位と８位がそれぞれ２つのグループに分かれますから、その組み合わせ次第で錦織にとって「死のグループ」になりえますし、逆に恵まれれば決勝トーナメント進出の可能性も高くなります。

　考えうるもっとも恵まれたグループは、マレー、バブリンカ、ベルディヒ、錦織という組み合わせでしょう。錦織が苦手としているバブリンカとフェデラーのどちらが良いか微妙なところですが、インドアハードというコート特性を考えたら、やはりフェデラーはかなり強いだろうと思います。バブリンカは速いコートは苦手なので、錦織にもチャンスはあります。ベルディヒとは相性が良いですし、マレーには昨年のこの大会でも完勝しています。この組み合わせなら２位以内の可能性はありそうです。

　逆に死のグループとなるのが、ジョコビッチ、フェデラー、ナダル、錦織という組み合わせ。この３強と一緒の組み合わせになったら世界中の注目度は抜群ですが、勝てそうなチャンスが感じられるのはナダルくらいです。そのナダルもここにきてようやく本来の姿を取り戻しつつありますから錦織が不利なことには変わりありません。

　ただいずれにしても錦織は８人の中で一番ランキングが低く、経験も浅く、年齢も若いチャレンジャーの立場なのですから、負けてもともと。誰が相手であっても積極的に攻めて攻め抜いてほしいと思います。