幹事クリタのコーカイ日誌2015

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10月11日 ● 錦織はここで立ち止まってしまうのか。

 楽天ジャパンオープンは第1シードのバブリンカが優勝をして幕を閉じました。それ自体は特に意外でもなんでもありません。なにせ第1シードでしたから。問題はもちろん錦織が準決勝でペールに負けたことです。これはいただけません。単に苦手な相手を作ってしまったかとか、そういうことではなく、錦織の今後について不安が生じてきてしまったからです。

 全米1回戦でペール相手に初戦敗退をした時には「残念だけどそういうこともある」と思っていました。しかし、今回は十分にペールのテニスを研究して、警戒して試合に臨んだはずです。そしてファーストセットはきちんと自分のテニスをして圧倒しました。それが2セット目を途中からペールのペースに引き込まれてしまいワンブレイクで落とし、フルセットの末の逆転負け。全米に続き同じ事を繰り返したとなると、もう「そういうこともある」で片付けるわけにはいきません。相手はジョコビッチやフェデラーではないからです。

 格下相手に連敗するということは、そこに錦織の何らかの弱点があるということであり、世界中のプレーヤーがそれを研究して徹底的に攻めてきます。また錦織は「勝てる相手」だと思われてしまうことは、心理的にも不利になります。昨年全米以降に築き上げた錦織への「畏怖」が薄れてしまいます。そうなると、下から見て格好のターゲットとなり、どんどん突き上げを受けることになりそうです。

 錦織も26歳です。中堅選手の年齢になりました。10代から20代前半の生きのいい選手がどんどん出てきているのに、いつまでもこのあたりで足踏みをしていると、すぐに追い抜かれてしまいかねません。世界ランキング1位、グランドスラム制覇という壮大な目標が、いつの間にか世界ランキングトップ10キープ、グランドスラムベスト8が目標というレベルの選手に安住してしまいそうです。もちろんそれはそれでこれまでの日本人選手と比べたら凄いことですが、せっかく大きな夢を見られそうだったのですから、まだここで止まって欲しくはありません。

 錦織の現役生活が終わったときに「結局2014年の全米決勝が最初で最後のチャンスだったな」とならないためには、恐らくこれから1年間くらいが勝負だと思います。そんな不安をかき消してくれるような、これから始まる上海マスターズからツアーファイナルまでの錦織の活躍を期待したいと思います。


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