幹事クリタのコーカイ日誌2015

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9月26日 ● 勝てばいいってもんじゃない。

 白鵬が休場して新しい時代の幕開けになると思われた今場所。途中までは照ノ富士の強さに「世代交代」という言葉がよぎりましたが、終盤にその照ノ富士が怪我をしてしまい、一気に雲行きが怪しくなりました。千秋楽を前にして2敗でトップに立ったのは鶴竜。横綱になってからまだ優勝がない鶴竜が優勝したいと強く思うのは当然ですが、それにしても内容が酷すぎます。強い相手にはすぐに変化して勝ちにこだわります。特に今日の稀勢の里戦はあり得ないほど無様な相撲でした。

 いきなり右に飛んだ鶴竜でしたが、手つき不十分で立合い不成立。これだけでもダメなのですが、次に今度はなんと左に飛んだのです。しかも飛んだにも関わらず稀勢の里十分な左四つに組まれて一気に押され、何とか土俵際で体を入れ替えて辛勝しましたが、横綱として非難を浴びても仕方ない内容でした。横綱というのは勝てばいいってもんじゃないのです。あんな相撲で勝ったところで誰も誉めてくれないということを師匠は教えていないのでしょうか。あれだったら堂々とぶつかって負けた方がずっとマシです。

 どうせ千秋楽は怪我をおして出場している照ノ富士です。まず負ける気遣いはないでしょう。もちろん、稀勢の里と同点決勝になる可能性はありますから、今日勝って稀勢の里の可能性を潰しておきたいという計算はわかりますが、稀勢の里に変化で勝ち、照ノ富士には怪我で勝っても、誰も鶴竜の実力を認めてはくれません。こんな醜い優勝はむしろ悪い見本として語り継がれてしまうくらいのものです。

 それしても稀勢の里。見え見えの鶴竜の変化をさばき切れず負けてしまうというのも情けない話です。せっかく得意の組み手にしたのに腰高のまま勢い切って突進して逆転されるとは不用意すぎます。照ノ富士を怪我させて、鶴竜の変化に負けて、自ら優勝圏外から去っていく。全く今場所の盛り上がりに水を差してばかりです。この人はもうそういう星の下に生まれたんだろうなと思うしかないです。


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