なでしこジャパンが完敗を喫したＷ杯決勝。戦前からアメリカ優位は揺るがないと思われていましたが、それにしても前半16分で0-4とされた時にはさすがにどうなることかと思いました。このまま大量失点を重ねていくのかと不安になるくらいの衝撃的な展開でした。

　特にあの4点目のロイドのロングシュートは精神的なダメージが大きかったと思います。それほど屈辱的なゴールでした。あのシュートを止められなかった海堀も、その前の失点のきっかとなったミスをした石清水も相当きつかったと思います。あそこからよくチームを立て直して最後まで戦ったものだと思います。4点差をつけられてからだけなら2対1で勝っていたのですから大したものです。

　勝負は時の運ですし、こういうこともあります。問題はこの敗戦を糧にしていかに新たなチーム作りをしていくかでしょう。リオ五輪はもう来年です。このチームのままで臨むのか、それとも大きく変えるのか、まずそこから考えなくてはなりません。あくまでもオリンピックでの金メダルを目指すなら今のチームを熟成させつつ新戦力を補強していくことになるでしょう。大きな変革は五輪後からにならざるを得ません。

　しかし４年後を目指すなら一気に新しいチームに変えることも考えられます。これが男子サッカーなら間違いなくここで区切りをつけるでしょうが、女子の場合はオリンピックもフル代表で参加できるだけに難しいところです。しかも一般へのアピールを考えなければならない女子の場合、特にオリンピックは大事なステージです。澤は外れるにしても宮間をはじめ他のベテラン勢は簡単には変えられないことでしょう。

　とは言え、どこかで若手への切り替えを図らなければならないのも事実です。そのために今大会で23人全員に出場機会を与えられたのは良かったと思いますが、このチームのままではリオ五輪で今回以上の結果は望めそうもないし、ましてその後のことを考えたら思い切って先発の半分以上は若手に切り替えてしまうということも考えられます。佐々木監督がリオまでは続投するんだろうと思いますが、明日のなでしこはどういうチームに変わっていくのか期待したいです。